9月が終わった。
夏休みが終わり、2学期が始まった。文化祭や体育祭といった学校行事もあり、リズムを崩しやすい時期である。
それでも、学校が始まったがリズムを大きく崩すことなく進められたのは良かった。疲れはやはりあったと思うけれども、体調を崩していないのは好材料だ。
ただし、心配な点もある。
記録が全体的に緩んでいる。Y君は継続してできているけれども、それ以外の人たちは完全にできているというわけではない。
時間が少なければ少ないほど、記録はより何をやるべきかという判断にも重要になる。これは徹底させたい。
睡眠時間に関しては、やはり学校が始まるとなかなか維持は難しいという印象がある。夏休み中に確保できていた睡眠時間が、学校が始まると減ってしまう。これは予想していたことではあるが、長期的には大きなリスクになる。
受験は長期戦である。
体調を崩すと、そこから取り戻すのは本当に大変だ。記録が途切れると、優先順位が狂い、最効率で進められなくなる。
9月は、夏に築いた基盤を学校生活の中でいかに維持するかが問われた月だった。
では、振り返ろう。
Y君、3,145分
今月は学校が始まってから勉強時間をもとに戻せた感じがしてよかった。定期テストなども始まってくるので体調には気を付けていきたい。
Y君、本当によく頑張ったね。
3,145分という学習時間。8月の1,755分から1,390分も増加している。
学校が始まって、イベント過多で疲労困憊だった8月から、よくここまで立て直せた。
オンラインテスト3,463問。正答率63%を維持しながら、着実に「見たことがある」状態を増やせている。
和訳が完全に出てこなかったり、不足しているところを自分で感じられているのは本当に素晴らしいことだ。
どこに自分の知識の穴があるのかということがわかっていれば、それを埋めていけばいいだけからね。
演習時間中にテキストに戻ったりして、少しずつその穴を埋められているし、着実に改善は進んだ。
一度大量に「見たことがある」ものというのは、覚える閾値は一気に下がる。
今の演習多め、まずオンラインテストをやってからテキスト、学校の授業で復習していくという流れは出来た。
学校の授業を活用する工夫もできている。
通学時間がこれだけかかる以上、できることは限られているけれど、その中で最大限の工夫をしているよ。
記録も継続できている。これは本当に大きい。
Y君、よく頑張っているよ。毎日、電車の仮眠がなかったら本当にいつ倒れても不思議ではないと思う。
ここからが大事な話ね。繰り返しになるけれども。
睡眠時間が平均429分。一見、7時間以上確保できているように見える。
でも、実態は違うよね。
平日の睡眠時間は平均300分台。5時間前後だ。しかも、この数字には電車での仮眠が含まれている。ベッドでしっかり眠れている時間は、さらに少ない。やりたいことも普段はなかなか出来ないしね。
文化祭前後は200分台。文化祭最終日に至っては200分を切っていた。
その後、回復を十分できる前に、また次のイベントで消耗している。
Y君、これは本当に危険な状態なんだ。
厚生労働省が2023年に発表した「健康づくりのための睡眠ガイド」では、中学・高校生は8〜10時間の睡眠時間を確保することが推奨されている。
Y君の平日の実際の睡眠時間は、300分台。電車の仮眠や学校での仮眠がなかったら200分台のこともあるよね。
広島大学と早稲田大学の共同研究(2021年)では、高校生の睡眠不足や社会的時差ボケ(平日と休日の睡眠時間の差)が大きい人ほど、精神的に不健康で、日中の眠気も高いことが示されている。疲れやすい、いらいらする、気分が落ち込むといった症状と強く関連しているんだ。
不安が大きくなると、何も出来なくなってしまうからね。
さらに重要なのは、江戸川大学の睡眠研究で明らかになったことだ。睡眠不足の状態では、反応が遅く、ミスも多い。そして何より問題なのは、エラーに気づきにくく、エラーを十分に認知的に処理できないということ。
つまり、睡眠不足で勉強しても、間違いに気づけない。理解できたと思っても、実は理解できていない。こういう状態になるということだ。
Y君は構造的に考えるのが得意で、睡眠時間が足りてるときに暗記は追いついてないけれど、理解が追いつかないと思った事は一つもないんだよ。君は成績には十分まだ出てないけれど、賢いよ。
文部科学省の検討委員会の資料では、不登校になったきっかけや継続理由として「生活リズムの乱れ」を挙げた者がそれぞれ34.2%、33.5%にのぼったという報告もある。睡眠不足でいい事はただの一つもないんだ。
Y君、今は気力で何とかしている状態だ。
でも、気力には限界がある。
一度体調を崩したら、そこから取り戻すのは本当に大変なんだよ。
Y君は真面目だから、休むことに罪悪感を持っているよね。それは全くの無意味だと言っておこう。
きつい言葉だけど、1秒でも早く合格最低点に到達するために、何が、もっとも受験に寄与するか考える必要がある。だから、休むのを優先するのは間違いでなくて、正しいからね。その中で出来るだけ工夫してるよ。Y君と同じ状況で踏ん張れる人はほぼいないと思う。
時間が少なければ少ないほど、体調を優先することが何より大事なんだ。
なぜか。
頭が働いている時の方が、圧倒的に覚えられるからだ。睡眠不足で5時間勉強するより、しっかり休んで頭が働く状態で3時間勉強する方が、遥かに効率がいい。
しかも、睡眠不足だとエラーに気づけない。間違って覚えても、それに気づけない。これは本当に怖いことだよ。
「しんどい、しんどい、しんどい」という状態で勉強しても、モチベーションがなくなってしまう。結局、勉強できない。
やる気がしないと思ったら、休むんだ。これは私の指示だから、ダメだったら、私のせいにすればいいよ。
これは怠けているのではない。効率を最大化するための、正しい選択なんだよ。
受験まで、あと1年だ。
長い戦いだよ。
その中で、一度体調を崩したら、取り戻すのは本当に大変だ。今、1日30分の勉強時間を増やすなんて事はほとんど無理だと思う。1週間倒れたら?3ヶ月では済まないよね。
今、本当に薄氷の上を渡るような生活してるからね。そこから今のようになんとか回るようにするまで、たくさんの時間をかけて工夫してきたよね。
今のほぼ最適化できるまで半年はかかってるんだから。
推薦入試受験は、あと1年後には始まっている。
本当にもどかしいけれど、できる範囲でコツコツとやっていこう。今、十分やれているよ。
通学時間4時間という、今まで見てきた中で最もハードな環境。この中で、Y君は本当によく頑張っている。
平日の睡眠不足を土日で補うしかないという現実も、わかっている。そうすると新しい受験勉強に取り組む時間が減ってしまうという、もどかしさも理解している。
でも、それでいいんだ。
Y君のペースで、Y君ができる範囲で、進んでいけば必ず結果は出る。
11月中には古典文法に入る予定だ。同時に、今までの英語の範囲の復習も必ず入れていく。宿題は出さない。睡眠時間を確保することの方が、遥かに重要だからだ。
平日は授業でなんとか演習して補う。土日はもう攻めの勉強は無理だ。それくらいなら寝て、学校の授業を吸収することだけに集中でいい。でも不安ならこういうやり方もあるからね。
もし、やるのであれば、その週にやった英語のBCの誤答をスクランブルで確認したり、特にまだ完成度が高くない接続詞をテキストで解く。
あるいは、覚えきれてないものをカードにするのでもいい。ノートでもいいよ。それを例えば学校で休み時間に数秒見るだけでも記憶できるかもしれないし、間違えたところ、覚えてないところを書き出すこと自体が記憶の強化になる。トイレに貼るとかね。助動詞の活用や年号はそれだけで覚えた人いるからね。
英語は、かなり「見たことがある」状態になっている。負担は少し減らせたはずだ。今後は国語でも同じようにできるようにしたい。
Y君は出来るよ。
今月も記録を継続できた。学習時間も大幅に回復できた。オンラインテストも着実に進められた。自分の知識の穴を認識する力も育っている。
これは全て、Y君の努力の成果だ。
でも、その努力を無駄にしないために、体調を最優先にしよう。体を壊すと、余生になっちゃうからね。心配しています。
疲れたら休む。これを徹底しような。
休むことは、決して悪いことじゃない。むしろ、長期戦を乗り切るための、最も賢い選択なんだから。
いつも期待しています。