11月が終わった。
10月は疲れが出てきた月だったが、11月はさらに追い込みの時期となった。定期テスト、模試、そして体調管理。複数のことを同時にこなさなければならない時期だ。
受験は長期戦だ。ここから本当に体力的にきつい時期になる。普段以上に体調管理を気をつける必要がある。
特にこの時期は、無理をして体調を崩すリスクが高い。1週間倒れれば、学習時間の損失だけでなく、記録が途切れ、リズムを取り戻すのにさらに時間がかかる。
冬期講習が始まる。学校がない期間は、まとまった時間を確保できる貴重な機会だ。でも、その機会を活かせるのは、体調が万全な状態であればこその話だ。
体調を崩したままでは、せっかくの冬休みも回復に費やすことになる。
11月は、限界ギリギリの中で踏ん張った月だった。
では、振り返ろう。
Y君、3,893分
今月はいろいろと精神的にも肉体的にも疲れてしまった。けれどもその都度切り替えて時には原動力にして動くことができたと思う。体調を崩さないことを最優先に動いていきたい。
Y君、11月は本当に踏ん張ったね。
3,893分という学習時間。10月の3,145分から748分も増加している。
定期テストがあり、疲労が蓄積する中で、これだけ時間を増やせたのは本当に凄いことだよ。
でも、正直に言うね。このままではまずい。受験勉強を継続も相当厳しいのではないかと感じている。
「精神的にも肉体的にも疲れてしまった」という言葉、本当に心配している。
自分の限界に気づいているということだからね。その判断は正しい。
ただ、心配なのは睡眠時間だ。ずっと言っているけれど。
記録上は平均460分となっている。でも、実態は違うよね。
ベッドでしっかり眠れている時間は300分を切っている。電車での仮眠が100分ほど含まれている。
つまり、実質的な睡眠時間は5時間を切っているということだ。
11月の総評でも睡眠の話はしたけれど、改めて話させてほしい。睡眠の話ばっかりで、うんざりしてるだろうけど、これがすべての土台だからね。
電車での勉強はもうやめよう。
出来る限りのことをしたけれど、学校を休む以上に睡眠時間を増やせる方法はないよ。やっぱり。
通学時間が変えられない。休日は少なすぎる睡眠時間の補填。普段、息抜きも出来ないから、休日に勉強するのも厳しい。
学校の授業に集中するのと、私の授業に集中する。この2点に絞る。学校がないときに強化を進める。これが今のY君にとって、一番負担が少ない。
蕁麻疹が出来たりというのも、体が悲鳴を上げているということだからね…限界を超えてるよ。
12月の話になるけれど、テスト期間中の睡眠時間は200分台もあった。

日によっては、電車の仮眠を抜いたら140分。この状態では勉強をするより何より、睡眠時間を少しでも増やす方が良い。
それでも、焦りはあるだろうからね。休むメリットを書いておくよ。休むのが一番パフォーマンスを上げる唯一の選択肢ということはあるんだ。
シンガポールの睡眠研究ではこういうのがあった。1時間程度の昼寝は、睡眠不足による認知機能の低下を軽減する効果があるという報告だ。短い仮眠でも、記憶の定着に効果があることがわかっている。
電車の中で無理に勉強しようとしなくていい。むしろ、しっかり休んだ方がいい。仮眠を取ることで、少しでも睡眠不足を補えている。ベストは無理なら、ベターを考えよう。
ただし、仮眠だけでは限界があるんだ。学校は卒業できる程度に休むほうが私はいいと思うよ。
ここまで踏み込んだ発言するのは、受験が終わるまで乗り切れるように思えないからなんだよ。今のままだと、体調不良、メンタル不良である日突然動けなくなって、高校中退というのもなくはないなと感じている。
同じ研究でもこうあった。週末に9時間寝ても、平日5時間の睡眠不足は完全には回復できないことも示されている。累積的な影響が残るんだ。これ、Y君は中学入学からずっとやっているわけだからね。
長期休みで出来るだけ睡眠時間を確保しつつ、学校の授業を利用できるようにするといういままでの学習計画を洗練させていく必要があるね。
学習内容を見ていこうか。
英語はかなり入った。オンラインテストの正答率が75%に到達している。弱いところは比較だけという状態まで来た。
11月の個別ミーティングで話した通り、英文法に関してはほぼ受験レベルの知識は「見たことがある」状態は作れた。「覚えている」状態もかなり増えた。ギリギリの状態で良く踏ん張っているよ。
オンラインテストだけではなく、テキストも回せるようにしたいけれど、今の状態では難しい。授業中や冬休みに演習する時間を作ろう。
中学英語すらあやふやだった状態から、ここまで持ってきたのは本当に凄いことだよ。
学校の授業についていくことを優先することも引き続き継続しよう。
無理に新しいことをやろうとせず、学校の授業を活用できる状態を維持する。体力的にきつい時は寝る。とにかく倒れて長期離脱が最大のリスクだから。
古典に入って苦戦しているのは今は慌てなくていいよ。新しい科目は最初は大変だからね。
でも、英語でやったのと同じように、「見たことがある」状態を作っていけば、必ず入る。しつこく動詞部分やっているけれど、Yくんは理詰めでやっていけば出来るようになるからさ。
睡眠が取れているときの君の理解力は高いんだよ。休むのを優先しような。学校が休みに入ったら、効率は上げられるから。
Y君は気力で乗り切ってしまうところがある。それは強みでもあるけれど、今は危ない。
冬期講習が始まる。学校がない期間は、通学時間4時間という負担から解放される。
この時間を、勉強に振り向けるのではなく、まず睡眠に当ててほしい。まずはね。ちゃんと長期記憶ができるベースラインにする必要があるか。
しっかり寝て、体調を整えて、頭が働く状態で勉強した方が、遥かに効率がいい。
睡眠不足で5時間勉強するより、しっかり休んで頭が働く状態で3時間勉強する方が、記憶に残る。睡眠不足だとエラーに気づけない。間違って覚えても、それに気づけない。これは本当に怖いことだよ。
Y君に、睡眠の質を上げるためのちょっとした知識を書いておくね。眠りにくいと書いてあったこともあるからさ。ちょっとでも出来ることをやってみよう。
睡眠研究によると、高GI(グリセミック指数)の食品を就寝前に摂ると、寝つきが良くなることがわかっている。白米やうどんなどだね。また、キウイやタルトチェリージュースなどトリプトファンを含む食品も、睡眠の質を改善する効果があるとのこと。
総睡眠時間を増やすのが難しいから、睡眠の質を上げる工夫をしよう。
しんどかったら学校を休むことも考えていい。というか、現状それ以外に睡眠時間を増やすにはそれしか手段がない。ずっとどう出来るか考えてきたけど、これが結論だよ。
体調がよかったら、コロナにもかからなかったかもしれない。気力で追いつかせているけど、体調が良かったら、無理をしなくて済んだ。頭が働く状況ならY君は平均以上に出来るはずだよ。
以前話した通り、同志社に行ったEさんも、週に1回は学校を休んで体調を維持していた。それが結果的に、長い受験勉強を乗り切る力になった。
冬期講習で、英語の残りと古典文法を固めたい。でも、それは体調が万全であればこその話だ。
まずは、しっかり休むこと。これが今のY君に最も必要なことだからね。
本当に心配している。
いつも期待しています。