全範囲をいつまでに終わらせればいいか 志望校からリミットを考える
質問メールを頂いたので、ひとつの目安を書いておきます。
国語・・・もう勉強しなくていい(合格者平均程度はある)
英語・・・優先事項ではない(合格者平均程度はある)
社会・・・優先事項ではない
数学・・・高校全範囲履修済み、センター8~9割程度(数学IIIはほとんど手をつけていない)
理科・・・化学は無機化学は履修済みで有機化学はまだ。物理は力学のみ履修済み。
東進に通っているのですが、早く物理・化学を終わらせるように言われます。いつ頃までに終わらせれば良いですか?
高校2年生
青森県立五所川原高校
東京大学or東北大学
平日3時間、休日6時間
資料を送ってくれました。実際、模試などの成績がない場合には、なかなか相談いただいても求める情報を提供することができません。たいせいさん、ありがとうございます。
いつまでに物理、化学を終わらせればいいのか。
こう、返信しました。以下、メールの内容です。
はじめまして。 東大理系、もしくは東北大学理系志望ということで、物理、
結論から言うと、どんなに遅くとも物理・化学は3年7月末までには終わっていたいですね。
できれば3年生になるまでが理想です。数学Ⅲ
東大の配点についてはご存知でしょうか。
理科一、二類/前期
センター試験 | 5教科7科目(110点満点) 【国語】国語(200) 【数学】数IA必須,数IIB・簿記*・情報*から1, 【理科】物・化・生・地学から2(200) 【外国語】英・独・仏・中・韓から1(200) 《地歴》世B・日B・地理Bから選択(100) 《公民》「倫理・政経」(100) ※理科は、基礎科目の選択不可 ●選択→地歴・公民から1 |
---|---|
個別学力試験 | 4教科(440点満点) 【国語】国語総合・国語表現(80) 【数学】数I・数A(場合の数と確率・図形の性質・整数の性質) 【理科】「物基・物」・「化基・化」・「生基・生」・「地学基・ 【外国語】コミュ英語I・コミュ英語II・コミュ英語III( |
個別(2次) 配点比率 |
80% |
備考 | 募集は前期のみ セ試…900点満点を110点満点に換算 |
東大の特徴は、科目数が多いことです。
理系の二次試験で国語を課す大学は少ないのですが、東大の場合は国語も必要になります。東北大学の場合は国語は二次試験では必要とされていません。科目負担が非常に大きいんですね。
国語も無視していいわけではありませんので、できるだけ、英語、数学、理科2つは早い段階で完成させる必要があります。
メールいただいた中で今の時点で一番問題だとこちらが感じたのは、化学・物理ではなく数学Ⅲが終了していない点です。
数学Ⅲを東大レベルの問題を解くのにおよそ一年程度の演習時間が一般的に必要だと思われます。どんなに遅くとも高校2年生終了時点には終わっていないと間に合わない。
私立6年制だと、高校3年生になる時点で数学Ⅲまで終わっているところは多いです。
私立大学ですと、理科は一科目というところが多いのですが、東大、東北大学などの旧帝大は理科が2科目課されます。リミットは3年生の7月です。
東大受験で一番信頼性が高いのは、駿台の東大実戦模試で、今年は8月の11日前後に行われました。ここまでには終わらせていないとなかなか厳しいです。
普通の記述模試、センター試験の模試では、現役生に配慮して理科や社会は範囲が限定されています。
しかし、このような実戦模試はそもそも理科や社会は全範囲、出題されるんですね。
受験生のトップ層が受験する大学ですので、夏までに全範囲の履修が終わってないというのは、そもそも対象とされていないんです。
また、現時点でのたいせいさんがセンターレベルがどれくらい取れているかわかりませんが、東大の場合はボーダーの得点率が90から91%と非常に高いんですね。それもご留意されるといいと思います。
東進は、現役生対象の予備校のため、実際に浪人生が受験して、母集団が多い全統マーク模試なども今後受験されるとよろしいかと思います。
東大の場合は、配点としてはセンターの比率は低いですが、(来年は変わってしまいますが、大きく受験生のレベルが変わるとは思われません)、このレベルに3年生の1月には揃える必要があります。
理学部 セ試得点率 90%~91% 偏差値 67.5
学部|学科・専攻・その他 | 日程方式名 | セ試 得点率 |
偏差値 |
---|---|---|---|
理科一類 | 前期 | 91% | 67.5 |
理科二類 | 前期 | 90% | 67.5 |
一つの目安として聞いていただきたいのですが、本番でセンターの英語を180点を超えた生徒の多くは高校2年生の1月時点
ですので、他の科目も90%を取るには高校二年の1月に70%とれる目処がないとなかなかに難しいといういう理解をしてください。
できるだけ、早期に数学Ⅲまで終了すること。そして物理、化学はできるだけ先行して終わらせることが合格可能性をあげます。
レベル的にも旧帝大の場合は、理数系、英語とも要求される勉強量が他と違います。なかなか公立高校で進度が遅くて大変だと思いますが、頑張ってくださいね。
まとめ
意外に、高校などではこういう情報ないところ多いですよね。地域格差は大きいです。
シャレにならない話なんですが、学校でAO受験を勧めておいて、学校では物理がそこまで終わっていなかったということがあります…
6年制でも学校によっては、公立高校より進度も遅いところはあるんです。
ノザキ塾がある鈴鹿市もそういう意味では厳しい環境です。
高校受験時では、偏差値が高い高校であっても、全国という観点から見たら真ん中でも偏差値50がないという惨憺たるレベルです。
この記事でも、他の記事でも再三強調していることですが、大学受験となると全国との受験生のとの勝負になるわけで、学校の中だけで考えていてはいけない。
都会であれば、予備校があり、情報があります。自分の全国でのレベルを意識できますが、地方ではなかなか難しい。そういう意味では模試の適切な選択も重要ですね。
受験生クラスにも、同じく地方から受講してくれている受験生がいます。
そして、適切な模試を受験していませんでした。
地方だと、センター試験しか学校側も対策できないということもあると思うのですが、ひとりひとりに適切な対策をたてないと、なかなか勝負するのは難しいと感じています。
できるだけ早く全範囲を終わらせて、過去問演習に入っていきたいですね。
受験生クラスを新設しました。過去問演習に力を入れているのも特徴の一つです。