模試を使って自分の学力を知ろう。
今回は、自分を知ることについて考えてみましょう。このコーナーは、大学受験の学習計画をたてるためのコーナーですから、哲学的に考える必要はありません。
前述したように、学習計画を立てるために必要なのは
- 自分の学力
- 使える時間
この2つでしたね。
学力についての定義はいろいろありますが、このコーナーで学力といった場合は、入試問題をどれだけ得点できるかという得点力としましょう。
では、自分の学力について知るために重要な模擬試験について考えてましょう。
模擬試験は、なんのために作られているか。
受験生の学力を総合的に判断するものです。
英語を例に上げましょう。模擬試験の典型的な出題内容をまとめてみました。
- 単語問題
- リスニング
- 文法・語法問題
- 下線部和訳
- 長文の内容一致問題
- 英作
- 条件英作
- 整序英作
- 本格英作
- 自由英作
など、様々な出題形式で作られているのが普通ですね。記述模試などでの典型的な形式です。
英語力を総合的に測ることが出来ますね。入試問題との違いはここにあります。
入試問題は、その大学が要求する能力をもっているか測るためのものです。
ですので、模擬試験に加えて、入試問題を分析することが学習計画には必須になりますね。
では、模試について考えましょう。
学習計画を立てるために模試を利用しよう。
特に、志望校が定まっていない高校一年生、高校二年生にとっては、何から勉強すればよいか優先順位をつけるのも難しいですね。そういう場合は模試を受験して、その結果を分析することで学習計画を立てることにしましょう。
前述しましたが、偏差値は塾・予備校、あるいは学校での課外の講義を受ける場合に利用できます。偏差値50なら中級、偏差値60なら一般的に上級といえるでしょう。自分の学力を知り、適正なレベルの講義を受け、学習することで効率が良い学習が可能になります。
偏差値が70の生徒が、基本と呼ばれる講義を受講しても効果は薄いですね。知っていることを確認するだけになるでしょう。このレベルの生徒であれば、それぞれの志望校にむけた対策をしたほうがより高い学習効果を見込めるでしょう。
偏差値が40の生徒が、上級と呼ばれる講義を受講しても効果が薄いのはもうわかりますね。
偏差値を知ることは、またテキストを選ぶ時の基準にもなりますね。ですので、模試は重要です。
模試を使って苦手分野を把握しよう。
次に模試でも、自分が全国平均より得点率が低い分野を把握しておきましょう。
学習計画を立てるときに、苦手分野を把握することは重要です。得意分野と苦手分野では当たり前ですが、伸ばせる上限が異なります。得意分野はそもそも得意なわけですから、伸ばせる限界があります。伸ばすためにはさらに深い学習が求められます。
苦手分野はそれに対して、伸びしろは大きいです。基本的な知識が不足していることが多く、比較的短時間で得点力を伸ばすことが可能な場合が多いです。
受験勉強は常に時間という制約があります。学習計画を立てる際に、まず短時間で得点力を向上させることが可能な分野の優先順位を高くすることが重要です。
多くの受験生は、勉強しないのではなく、時間不足で受験に失敗することがいかに多いかを痛感しています。かかる時間は常に念頭におきたいですね。
苦手分野がわかれば、苦手分野を克服するための学習計画を立案します。
テキストの選択、予備校・塾の講義ということに一般的にはなるでしょう。使える時間から考えることになります。
使える時間の把握については、学習計画の大きなテーマですので、別に取り上げます。
苦手分野がわかっても、学習が進まない場合はどうすればよいか。
ただ、苦手分野がわかって、苦手分野の学習をはじめても行き詰まる場合があります。もっとも基本的なレベルのテキストを使ってもはじめからわからない場合などを想定してみましょう。その場合はどうすればよいか。
英作文が苦手で英作文のテキストを始めたが、出来ない。こういうことは多いですよね。
その場合、英作文が出来ない原因は他にあります。
この場合
- そもそも単語が足りない
- 英文法を理解していない。
- 品詞意識が弱い
- 構文を覚えていない。
このようなことが原因かもしれません。
学力がある程度付けば、自分が弱い部分が理解できるので、どこを強化すればよいかわかるようになるものですが、初めはわからないほうが普通だと思います。
その場合は、高校生ならば学校の先生、予備校生なら予備校の先生に使っているテキストと自分の模試の結果、自分の解答、解説をもっていって相談しましょう。
解説で理解できないところを明確にしておきたいですね。
そうすることによって、どのように学習すればよいか具体的にわかりますね。それが時間の短縮になります。
重ねていいますが、受験は時間との戦いです。
具体的に質問しよう。
「ぜんぜんわからない」と言って相談しに言っても、「頑張れ」か「基本にもどれ」くらいしか、情報がなければ先生もアドバイスできません。それではお互いの貴重な時間を浪費することになりますよね。
それが、「自分は、前回の模試で偏差値50、整序英作ができなかったので、整序英作の問題集を買って基本レベルの問題をやっているけれど、できなかった。」
問題、自分の解答、解説をもっていけば、先生も「ああ、それはまず品詞の理解が弱いから、学校で配布しているテキストのどれをやろう」など具体的なアドバイスが出来るはずです。
社会人、宅浪の生徒さんの場合は難しいですね。このコーナーでは私が見てきた生徒の例からどのように学習計画を立てたか例を載せていくので、参考になるところがあると思います。
希望があるようでしたら、英語、国語、政経に関しては対応できると思いますので、ご相談ください。業務の合間になりますので、お時間をいただくことになると思いますが。
まとめ
- 模擬試験を受験して、偏差値を把握しよう。そして自分の得意分野、苦手分野をしろう。
- 偏差値を知ることで、効率が良い学習方法が選択できる。
- 苦手分野がわかったら、それを克服するためのテキスト、講義を選択しよう。
- それでもわからない場合は、分からない場所を明確にした上で質問しよう。