失敗を減らすセンター試験までの学習計画


注:旧サイトでは2017年12月22日に公開しています。冬休みに入ったらこのように勉強の計画をたてるのだと理解して置くことは有益なはずです。


さ、今日で現役生は学校が終わり。明日から冬期講習に臨む受験生も多いことでしょう。

私も、ここ1ヶ月は自分が担当している生徒の学習計画や授業の準備をしていました。

学校、塾・予備校などで講習を受ける受験生にも学習計画は必要です。

今回は、私のところで採用している学習計画を説明します。学習計画を立てるのが難しいという人に参考になれば幸いです。

基本的な演習設定

センター試験まで1ヶ月を切っていますから、この時期は演習中心でやるのは当然ですね。

この時期の演習は、基本的にセンター試験に準じたタイムテーブルで行うべきです。

1日目
(1月13日)
地理歴史

公民
「世界史A」「世界史B」
「日本史A」「日本史B」
「地理A」「地理B」
「現代社会」「倫理」
「政治・経済」『倫理、政治・経済』

2科目選択
9:30~11:40

1科目選択
10:40~11:40

国語『国語』13:00~14:20
外国語『英語』『ドイツ語』『フランス語』『中国語』『韓国語』

筆記
15:10~16:30

リスニング
『英語』のみ
17:10~18:10

2日目
(1月14日)
理科(1)「物理基礎」「化学基礎」
「生物基礎」「地学基礎」
9:30~10:30
数学(1)「数学I」『数学I・数学A』11:20~12:20
数学(2)「数学II」『数学II・数学B』
『簿記・会計』
『情報関係基礎』
13:40~14:40
理科(2)「物理」「化学」
「生物」「地学」

2科目選択
15:30~17:40

1科目選択
16:40~17:40

大学入試センターより引用

簡単に言えば、センターと全く同じタイムテーブルで行うべきです。初日が文系科目、二日目が理系科目と言うかたちですね。

理由は3点あります。

  • この時期の受験生は夜型になっているため、実際の試験と同じ時間でピークをもっていく必要がある。夜型の生活をしている受験生が朝方に戻すのに少なくとも2週間は必要。
  • 模擬試験では、ほとんどの場合、一日で全科目を解くため、後半の科目、特に理数系は集中できないこと多かったはず。実際と同じ条件で訓練したい。一日目の演習で崩された場合、取れた場合に限らず二日間体調を維持する訓練をするべき。
  • 食事の影響を見極めるため。人によっては昼食後に極度の眠気に襲われる人もいる。適切な食べ方を確定させる。弁当なのか、コンビニで買うのかなど先に決めたほうがよい。試験当日に考えることが増えてリソースを使わない。

一週間の演習量

私のところでは、週2回の演習を基本としています。週7日のうち、4日がセンター演習です。

「少ないんじゃ?」

あるいは

「多いんじゃ?」

両方意見があると思います。

「少ないんじゃ」と言う人は、二次対策が終わって、センター演習だけでよいレベルの生徒かもしれませんね。

「多いんじゃ」と言う人は、理系なら文系科目が完成していない、文系なら理系科目が完成していない受験生だと思います。

週に2回の演習は、どちらの受験生にもメリットがある学習計画だと考えます。

予備日を3日設ける

演習が週4日、予備日が3日というのは理由があります。

難関大学を志望する生徒は、センターレベルは問題形式の確認で済ませたいでしょうから、二次対策、私大を併願するなら予備日に充てることがリスクヘッジになります。

恐ろしい話ですが、あなたが浪人できない受験生で、センター試験で失敗したとします。もちろん国公立大学の志望大学のランクを下げるということも出来ますが、それも失敗したらどうします?

センター型入試で私大を考えている生徒の一定数は、センターでこけて、私大でこけて浪人というのは毎年ある話です。こんな嫌な話はしたくないですが、リスクヘッジはしておくべきです。

難関大学の受験生であれば、二次対策の演習などを予備日の3日に組み込むことで、二次の対応力を落とさずに済みます。これは大きいですよ。

特に現役生は演習量も足りないですが、そもそも強化が終わっていない分野もありますからね。

センター試験終わってからで大丈夫という人もいますが、私はいままで生徒を指導してきて、センター試験後に二次対策をするより、ずっと二次対策をしていた生徒のほうが合格する率が高いのを痛感しています。

考えれば当たり前ですね。

センター対策に全力を注いだら、二次対策でやっていたものは間があいて忘れてしまうことが多いのです。

文系なら、本格英作、長文などは落ちやすいですし、理系なら、特に物理、数学なら積分といったところが落ちやすいです。

センター試験と問われる知識、範囲が違うから当然ですね。

そして、二次対策をしておくことは、フェールセーフになります。最悪センターが失敗しても二次の力は伸ばしているのですから、逆転の可能性も残りますね。

国公立大学志望の受験生であるならば、併願校の私大の過去問なども解いておくことを強く勧めます。

これにはメリットがあります。

  • 二次レベルの強化が可能なこと
  • センター試験が終わって、私大対策にスムーズに移行できること

過去問演習の重要性は、このブログではずっと言っています。

失敗する受験生の多くは、過去問を解く時期が遅すぎます。

センター試験が終わってから問題形式の確認だけで大丈夫という人もいると思いますが、それは、その人が極めて高いレベルにあったか、極めて運が良かったかのどちらかです。

本当は、受験生なら一年前に見ておくべきなんですけれどね。

今はそんな時期ではないので、過去問を持っていない人は急いで用意しましょう。

また、まだまだセンターの目標点に達していない生徒も予備日が3日というのはメリットがあるのです。

  • 弱点強化にまとまった時間をとれること
  • 二次対策に時間がさけること

週に4日の演習のメリットは、一度演習が終わった時点で、そこで洗い出した弱点を強化できる時間が確保できるということです。

演習をずっと連続していると、復習はできるものの、弱いところの知識を詰めなおす時間が確保できません。

しかし、この週4日の演習なら演習がおわってから強化できる時間があるので、次の演習までにある程度課題を克服して演習できますね。

受験生の多くは、時間配分がうまくなることで、点数を大きく伸ばすことが可能になることが多いです。

暗記物が手早く処理できれば、思考する部分に時間を割けるのだから当然ですね。英語で言えば、大問2の短縮が大きく全体の得点に影響を与えます。

どのように演習と予備日を配置するか

A案

一日目文系

二日目理系

三日目予備日

四日目文系

五日目理系

六日目予備日

七日目予備日です。

これが一番汎用性が高いと思います。いずれの日も復習はその日に行うようにしましょう。

復習が終わってからの残りの時間は、強化する科目、分野ですね。センターでも二次でも良いです。演習以外を勧めます。すでに演習でかなり疲れいますからね。

なんども言っていますが、短時間でもっとも得点が上がる分野から強化です。

これはセンターの強化にあてても良いですし、二次の科目の強化にあててもよいですね。

予備日をこのように配置しているのは、センターの復習が終わらないことも考えて、余裕をもって予備日を設定してあります。七日目は私大の演習や二次の演習でも良いと思います。

B案

一日目文系

二日目理系

三日目予備日

四日目予備日

五日目予備日

六日目文系

七日目理系

今年は、学校でKパックをやってくる生徒がいるので、このようになりました。この方法のメリットは、なんといっても3日連続で予備日が設けてあるため、まとまって弱点対策や二次の演習ができることです。

生徒によっては、ほぼこの予備日は二次の演習になります。

生徒によっては全く手を付けていなかった文系科目の強化ですね。

人によっては今までの模試、過去問から得点の変動率が激しい科目を予備日に演習するように組んであります。

疲労がたまった場合は、8日めに予備日をいれてそこからまた文系、理系、予備日、文系、理系、予備日と対応する予定です。

あと、予備日に願書書いたりしてくださいね。後に回すと偉いことになりますよ。毎年、締め切り直前で慌てる生徒が多いですから…

演習での注意点

弱い分野を記録するのは当然ですが、解く順番をこの時期には決めましょう。数学なら、小問集合やってから、どれを解くのか。

基本的には得意分野で早く解けるところから解くべきです

特に、数学ⅡBで失敗してくる生徒が多い(計算量が多いので当然ですね。)のは、早く解けるところから解かないからです。そんなの解くまでわからないと言う受験生は、設問分析の訓練がたりません。

いまからの演習で、どこから解けば時間が短縮できるか演習が終わるたびに考えてください。当然、時間は解いている時に記録するんですよ。

本番で設問分析の時間はできるだけ短縮するべきです。ただでさえ緊張するのですから、確実に仕留められるところから解くことを推奨します。

解く順番が最適になるだけでも得点を上げられる受験生は多いです。

また、意識してほしいのは、2回連続得点率が低かった分野です。

ここは重点的に強化しましょう。形式に慣れることで得点を伸ばせる可能性もあります。その場合は分野別問題集などを使うことが有効です。

ボトルネックが解消されることで、他の分野にも好影響がありますからね。

まとめ

壮大な計画をこの時期に立てたくなる気持ちはわかりますが、予備日があることで確実に復習、強化、二次対策、私大対策ができます。

ある程度遊びをもたせることは必要です。どこから解くべきか、何を強化するか考えずに演習ばかりやっていてもなかなか効果は出せませんからね。

さ、みなさんも明日からセンターまで最後の追い込みですね。

私も一年間一緒に訓練してきた生徒たちとの時間が終わりになるのだなと感慨にふけってます。みんな、初めに比べると本当に力をつけたよ。

みなさんも、最後までふんばろうね。

ノザキ塾