ノザキ塾は創立40年以上にわたり、数多くの受験生を志望校合格へと導いてまいりました。長年の指導経験と蓄積されたノウハウにより、一人ひとりに最適化された学習指導を提供します。
受験生クラスのみなさんにはすでに当たり前のことですが、改めて確認しましょう。
ノザキ塾の学習理論:3段階システム
勉強ができるようになるには、「見たことがある」「覚えている」「できる」の3つの段階があります。
- 「できる」ためには「覚えている」必要があります。
- 「覚えている」状態になるためには「見たことがある」状態になっている必要があります。
ノザキ塾は、講習だからといって特別なことをやりません。 なぜなら、それぞれの学習上の課題は個別のものであり、その時期にやらねばならないことはそれぞれ違うからです。総花的な講習は予備校の効率のためだけに行われていると言っても良いでしょう。
1秒でも速く合格最低点に到達するためには、生徒それぞれがどのような課題を抱えているかを知った上で指導する他ありません。ノザキ塾では個別ミーティングを多く行いますが、「見たことがある」「覚えている」「わかる」を把握するためです。
進度表、学習計画をどんなに時間が掛かっても個別で作成するのは、これら3つで生徒の状態を把握しなければ、学力向上は望めないからです。
「出来る」状態になっている分野を授業でやる必要があるでしょうか。「見たことがある」状態になっていなくて、「覚えている」状態になることが出来るでしょうか。「出来る」ために「覚えている」状態になっていなくて「出来る」状態になるでしょうか。答えは否です。
また、学校の宿題、講習などと重複する内容をやる意味は?どの順番でやるかによっても効率は変わります。
ノザキ塾がノザキ塾生のみの夏季講習を行うのは、それぞれに対応するためには普段の学習状況を知る必要があるからです。
講習だからといって普段の指導と変わることはない。「見たことある」「覚えている」「出来る」を考えて指導することに変化はありません。変化が存在してはおかしい。
普段と異なることがあるとすれば、時間が多く取れるということです。
最大限の効率を考える夏期講習〜失敗には再現性がある
成功には再現性がありませんが、失敗には再現性があります。
ノザキ塾は40年以上の指導の中で徹底して記録を重視してきました。
多くの受験生の失敗は時間が足りないことにあります。当然ですね。でも、なぜ時間が足りないのか?
効率が悪い。もちろんそうです。ですが一番の失速の原因は体調不良。特に睡眠時間の確保にあります。
多くの受験生の失速の直接的な原因は時間不足。
しかし、時間不足の本質は何でしょうか。勉強時間が少ないからでしょうか。違います。効率の悪さが根本原因です。その効率の悪さは睡眠不足にあることが非常に多いのです。
長くなりますが、睡眠不足についてみていきましょう。
睡眠不足の影響は思っているより大きい
40年間の記録を分析すると、明確なパターンが見えてきました。多くの研究が裏付ける事実ですが、重要度はより高いと考えています。
記憶力・学習効率への具体的な影響
睡眠不足状態(5時間未満の睡眠)の学生は、十分な睡眠(7~9時間)を取った学生と比べて、新しく学んだ単語や知識の定着率が有意に低いことが複数の研究で示されています(Walker & Stickgold, 2006)。
これは何を意味するのでしょうか。たとえば同じ英単語を同じ時間かけて覚えても、睡眠不足の受験生は翌日にはその多くを忘れているということです。「見たことがある」状態から「覚えている」状態への移行が阻害されるのです。「覚えていない」状態で「わかる」ことができるでしょうか。
さらに深刻な事実があります。睡眠不足の学生は、テストの成績が平均で10~15%低下する傾向が観察されています(Curcio et al., 2006)。これは、「覚えている」状態から「できる」状態への移行も同様に阻害されることを意味します。
ノザキ塾にはオンラインテストというシステムがあります。すべての生徒の正答率が記録されていますが、こちらの記録を見ると睡眠不足による正答率の低下はこれだけにとどまらないと断言できます。
集中力の不足が何を引き起こすか?
睡眠不足の学生は、授業中に居眠りをする頻度が高く、課題やテストでケアレスミスを起こしやすくなります(Wolfson & Carskadon, 2003)。反応時間の実験では、睡眠不足者は十分な睡眠を取った人に比べて、課題への反応速度が遅くなることが確認されています(Durmer & Dinges, 2005)。
つまり、睡眠時間を削って2時間勉強時間を増やしても、集中力の低下、反応速度の低下、ケアレスミスの増加により、実質的な学習効果は大幅にマイナスになるのです。
具体例をあげましょう。旧センター試験の英語では90%以上の得点率をとるためには2番の文法セクションの得点率を向上させることが鍵でした。塾生で90%以上の得点率だった生徒はただ一人の例外もなく文法問題を30秒以内で解けていました。「わかる」と「出来る」は異なります。睡眠不足ではわかっていても、誤答する可能性は高まります。
睡眠不足による正答率の低下が10〜15%にとどまらないのはそのためです。
睡眠時間が多い受験生の方が勉強時間が多い
睡眠不足の学生は、学習へのモチベーションや意欲が低下しやすく、課題を先延ばしにする傾向が強くなります(Lund et al., 2010)。
睡眠時間が多い生徒の方が勉強時間が多いということです。
このことは総評でもなんども強調してきました。疲れているから、勉強を始めるまでに時間が掛かる。はじめても集中力もないから理解出来ない。そもそも睡眠不足だから記憶も出来てないので理解も出来ない。そして睡眠不足だからやったことも覚えられない。
これで勉強を続けられるでしょうか?自己効力感がなければ長い受験勉強は耐えられない。ノザキ塾が365日記録をとり、声掛けを続ける理由がここにあります。
どれほど優秀な学習計画を立てても、モチベーションが低下し、「出来る」という実感がなかったら計画は画餅に帰します。
時間はとりもどせない
睡眠不足の悪影響については総評でも繰り返し強調しています。
体調を崩して1週間寝込めば、その回復に要する時間は1ヶ月以上。そう思うかもしれません。いえ、もっと事態は深刻です。
一日600分勉強している生徒が1週間倒れたら?4,200分取り戻すには?体力の限界で勉強しているのに一日140分勉強時間を増やすことが可能でしょうか。不可能ですね。増やせたとして30分。単純計算で140日ですね。夏の体調不良で浪人が確定する生徒がどれほど多いか。
これが「時間不足」の正体です。一ヶ月でリカバーすることすら難しい。
睡眠時間を削ることで得た2時間と、体調崩壊で失う1年。どちらが合理的でしょうか。
夏期講習でしか解決できない問題がある
さらに、夏期講習でしか解決できない問題があります。苦手科目の改善です。
各科目の時間あたりの習得効率は大きく異なります。当然ですね。「覚えている」事も少ない。場合によっては中学範囲まで戻る必要もある。得意科目は1時間で大きく進歩出来ても、苦手科目は一日の中で多くの時間をとる必要があるのです。
平常期の限られた時間で苦手科目に時間を割けば、得意科目の勉強時間が減少し、結果的に得意科目も得意科目でなくなる可能性も十分あるわけですね。
結果的に、どれも中途半端に終わる。それどころか全部ダメになるということもあり得るのです。「どれも大事はどれも大事にしてない」ということになりますね。
苦手科目の根本的改善は、実質的に夏期講習でしか不可能なのです。まとまった時間があるからこそ、時間効率の悪い苦手科目も「見たことがある」「覚えている」「できる」の3段階すべてを駆け上がることができます。
なぜ記録を重視するのか
感覚や印象で判断していては、この効率の悪さに気づくことはできません。「今日は頑張った」「集中できた」という主観的な評価と、実際の学習効果には大きな乖離があります。だから、記録を365日付ける必要がある。
睡眠時間7時間の日と5時間の日で、翌日の学習効率にどの程度の差が出るか。体調不良時と健康時で、同じ問題を解くのに要する時間がどう変化するか。これらを数値で把握しなければ、最適な学習戦略は立てられません。
記録の重要性は、客観的な現状把握だけではありません。パターンの発見にあります。体調を崩した原因は何か。部活?睡眠不足?小テストがあったから?一つの結果には無数の原因があります。個人ごとに異なるこれらのパターンを発見することで、失敗の再現性を断ち切ることができます。
研究が示すデータは一般的な傾向です。しかし、個人差は確実に存在します。ある生徒にとっての最適睡眠時間は7時間かもしれませんし、別の生徒には8時間必要かもしれません。この個人差を正確に把握するためには、詳細な記録以外に方法はありません。
リズムが重要だ
睡眠科学が教える事実があります。レム睡眠とノンレム睡眠のサイクル、記憶の固定化に必要な睡眠時間、睡眠不足が判断力に与える影響。これらは感覚ではなく、どれくらい大きな効果があるかがわかってきました。生活記録を精査する中で睡眠が最も重要であるとの結論に至りました。
ノザキ塾の指導では、生徒が最高のパフォーマンスを発揮できるように記録から最適な睡眠時間を判断してから、その時間のなかで学習計画を考えます。
記憶の固定化は睡眠中に行われます。つまり、「見たことがある」状態から「覚えている」状態への移行は、睡眠の質と量に直接依存するのです。睡眠時間を削ることは、この移行プロセスを破壊することに他なりません。極端なことを言えば、授業をやるより眠らせるほうが効果があるということもあるのです。
個別タイムテーブルの作成
個別で夏期講習でもタイムテーブルを作成します。
それは、学習における「リズム」が効率に与える影響が本当に大きいからです。勉強に取り掛かるためのコストを減らすことが出来ます。毎日同じ時間、同じ環境で学習することで、脳は効率的に「学習モード」に切り替わります。脳は変化を嫌います。一定のリズム環境や行動パターンを一定に保つことで、脳が「学習モード」に入りやすくなるということです。
一例です。
タイムテーブル
午前中
- 7:00起床
- 8:00〜 数学ⅠA
- 10:00 息抜き、仮眠
昼飯
- 13:00〜 勉強
- 15:00〜 自由時間
- 16:00〜17:00 勉強
- 17:00
- 18:30〜風呂
- 原田先生の宿題をといて
- 20:00 授業
- 20:30〜食事
- 21:00〜 勉強
- 22:00〜自由時間
勉強時間だけで大丈夫?
このタイムテーブルで取り上げたK君の夏期講習7,229分。この数字だけを見れば、決して多いとは言えません。しかし、K君にとってはこれが最適解でした。
なぜでしょうか。K君の睡眠パターン、集中力の持続時間、各科目の理解度、すべてを考慮した結果がこの時間だからです。
他の生徒と比較することに全く意味はありません。K君がK君の合格最低点に最も効率よく到達するための戦略だからです。
科学的研究は一般的な傾向を示しますが、個人差は必ず存在します。K君の場合、7,229分という学習時間で、睡眠時間も確保し、体調も維持し、学習効率も最大化できた数字なのです。
これが最適化の実例ということですね。
「進度が遅い」という課題があっても、確実な習得を重視しました。これもまた効率の問題です。
理解が不十分なまま先に進むことで生じる後戻りの時間、基礎の不安定さが応用問題で引き起こす混乱、これらのロスを考えれば、着実な進歩こそがK君にとって最高効率だったということです。
失敗の再現性を断ち切る夏期講習
ノザキ塾の夏期講習は、失敗パターンを徹底的に排除します。
そして何より重要なのは、生徒自身が「効率的な学習方法」を身につけることです。まとまった休みであればしっかり記録をとり、どうすれば1秒でも速く合格最低点に到達するか考えられる。
夏期講習が終わっても、秋以降も、そして大学に入ってからも使える「学習技術」を習得することです。
睡眠管理、記録による現状把握、個人差を踏まえて計画する。
これが、ノザキ塾が目指す「最大限の効率を考える夏期講習」の真の意味です。
期間・対象
講習期間
8月第1週〜第4週の月・水・金
対象
- 受験生クラス所属者(各期講習会は必修)
- 各期講習会からの新規受講者・入塾希望者
受験生クラス受講者は短縮授業開始から個別ミーティングを行います。
新規受講・入塾をご検討の方へ
効率を最大化するためには、その生徒の現状を正確に把握する必要があります。新規受講の方については、詳細な学習状況の分析から開始しますので無料体験をご利用いただけるとよろしいかと存じます。
睡眠記録、集中力の持続時間、各科目の学習状況、環境、そして過去の学習履歴。これらすべてを分析して初めて、その生徒にとっての「最大効率」が見えてきます。
一般的傾向と、その生徒固有の個人差を正確に把握することで学力向上を目指します。
各期講習会から新規入塾が可能です。
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