冷え込みが厳しい時期がある一方で、夏を思わせるような陽気もあった。アレルギー持ちの生徒にとっては9月に引き続き厳しい季節となった。
学習計画を守り、コンスタントに勉強出来てきた生徒は、過去問演習に順調に入った。ここからはどんどん力がつく段階。あとはどこまで過去問演習を多くできるかが合否を決めることになる。
模試では振るわなかった生徒でも、指示を守り過去問演習に移行できた生徒は成功している。
一方で、ただ早く進めることだけを考えた生徒は過去問で得られる効果は薄い。
受験は時間との勝負で常に効率よく進めることを考えなければならない。
だが、早く進めても、必要な知識を習得していなかったらもう一度戻るしかない。全体の効率を考える必要がある。
1秒でも早く合格最低点に到達するように。こう生徒たちに繰り返してきた。どうしても目の前のことに囚われがちだからこそ、俯瞰して考える必要がある。
合格最低点に到達するには、一つ一つを積み上げていく他ないからだ。そして、習得コストも同時に考えることになる。
どれをやれば最も早く得点を伸ばせるか。当たり前だが、受験生には欠けてしまいがちな視点だ。
この時期は誰もが焦る。だが、そういった時こそ、一歩立ち止まる勇気は必要だ。
そして、立ち止まれるかどうかも、正確に記録しているかどうかに掛かっている。何が問題点か認識するためには記録がなければ不可能だからだ。
時間がなければないだけ、記録は精密に。無駄に使える時間など1秒もないのだから。
受験は最終局面に入った。1秒でも早く合格最低点に到達できるようにできるように最後まで考え続けることだ。
Eさん、7485分
古文の授業が楽になって良かったけど、二学期になって漢文が多く入って きて、全然わからなかったです。模試の過去問も漢文のところが全然解けなかったです。あと、漢字が苦手で3問中1問しか解けなかったです。 オンラインテストの代名詞が200問解いてもほかのところと比べて正答率 が悪いので、もう少し解こうと思います。
今は古文に集中しているから、漢文ができないのは問題ないよ。笑
古文が計算できるような科目になれば、漢文に回す時間も取れるから。正直、模試の得点をよくしようとするだけなら、今漢文やればEさんは取れる。でも、学校の課題が重いEさんは、使える時間が圧倒的に少ない。
漢文をやると、基礎が固まりつつある古文に回せる時間が少なくなってしまう。そうなるとトータルでかかる時間はずっと増えてしまうからね。習得コストが増えてしまう。
習得するためには一定時間を使う必要がある。一日15分ずつ三科目の勉強をするのと1日45分一科目の勉強するのでは、効率も全く違うよね。だから焦らなくていいからね。Eさんは時間が確保出来たら必ずできるから。
漢字の強化は長期的にしていく必要はあるね。私大だと100点満点中10点程度が配点であったりする。語彙の強化は受験が終わるまでずっとやっていくべきものだけれど、今は学校の小テストをうまく活用していこう。
漢字に関しては、書けることも大事だけれど、意味を理解することも重要。
特に同音異義語が問われることが多いと言うのは、意味がわかってないと得点できないと言うことだからね。現代文の対策を行うようになったら、漢字や評論語もやっていきます。今のペースだと2年生の夏休み以降に導入することになるかな。
現代文を導入するのが古文が終わってからなのは、現代文は全くやらなくても得点できる可能性はあるけれど、古文や漢文はやってなかったら全く得点できないから。そして、古文や漢文を固めると結果的に現代文も大抵の場合は改善される。なぜかと言うと、古文や漢文が早く解けることによって、現代文に回せる時間が増えるからね。
Eさんは賢い。時間を使えたら確実に取れるので、焦らず今の時間でできることをやっていこう。
代名詞は難しいよね。そうなのよ。笑
理屈でできるところもあるけど、比較と代名詞は丸暗記せざるを得ないところがそれなりにあるからなのね。問題を解きつつ覚えていこうね。
もうちょっとで英文法も主要なところはほぼ完成するので時間も増やせる。
着実に進歩しているから焦らずいこう。いつも期待してます。
Uさん、7,200分
体調不良や模試が多い月で嫌でしたが、前半にしっかり休んだことで後半からは自然と勉強時間が増えていました。 政経はあまり状況が変わっていないですが、メモリーバンクや過去問を優先して進めたので少しは精度を上げられたと思います。 国語はダイアグラムが終わり、過去問演習に入りました。語彙を増やしたりメンテナンスをして落としてはいけないところで落とさないようにしていきたいです。 英語の課題はやはり語彙なのでそこを強化しつつ、速読英単語は遅れないようにし、英語のテキストを今月中にしてしまいたいと思います。
アレルギーで本当にしんどい1ヶ月だったね。でも、出来ることを出来るように進められたね。
国語は現代文が終わったので、過去問演習に入った。英語、国語、政経とも過去問演習に入れたね。
全ての科目が均等に取れる必要はない。Uさんは政経が最も配点が高いわけだからね。英語に関しては第一志望の演習をするにはまだ語彙も長文の読み込む量が確保出来ていないから無理だけれど、他の併願校は十分対応出来る。英語はすでにボーダーラインを超えているしね。
演習ができるようになれば、合格最低点に到達するために何をやればいいか明確になる。演習の度にどこを強化するか指示しているけれど、どんどん精度は上がっていってるよ。
今だと政経の精度を上げること、国語だと漢字を完成させること、敬語、古文単語のメンテナンスが最も短時間で合格最低点を越えるのに早く出来るね。
そして、今対策している大学に関しては国語は50%が安定して取れるようになればいい。それ以上を目指すと時間がかかり過ぎる。英語と政経で補えばいいんだからね。あくまで総合点が大事だからね。
演習の効果は絶大だよ。実際の入試に即した形で強化が出来ていく。時間配分などの技術は問題を解くこと以外で養えないしね。現代文はいずれ量をこなすことで精度は上がっていく。重要語700も回したいけれど、今使える時間を考えると、漢字を仕上げてからだね。学校が休みになったら確実に回せるので焦らなくていい。
過去問の得点率は、演習を重ねるごとにだんだん平均点が上がっていくからね。内容や範囲によって点数は上下するから一回の結果で一喜一憂する必要はない。そして、取れない方がいいんだよね。練習段階で問題点が明らかになれば本番までに修正できるから。そう言う意味でも早く過去問演習に入れるのは大事なんだ。
実際に出題されたものをやることで、どの科目も今までと比較にならないくらい精度が上がっていく。
入塾した頃は、どの科目もガタガタだった。英文法も古典もどれも進めるのに時間が掛かったね。勉強はやればやるほど時間当たりの効率は上がっていく。
ここまでしんどかったけど、よく踏ん張ったね。ここからは一気に力がついていくよ。Uさんの強みは継続性。君より記憶力が良かったり、理解力が高い受験生はいるけれど君くらい記録を徹底できる受験生は少ない。このことの方が貴重な能力なんだよ。受験になった時、Uさんの方が強い。
弱いところをコツコツ潰してきた。Uさんは崩されないよ。
入塾した時は偏差値43.4だったんだよね。三科目で。入塾して1年。指示を君くらい守れた生徒は今年のクラスではいない。今回の進研模試の英語は英文法のメンテナンスしなくてやらかしたけど、三科目で偏差値55.4まで上がった。
体調やお家のことが大変な状況でこれだけ出来るのは君しかいないよ。しんどくても記録を欠かさない。強くなったよ。
偏差値10以上上げるのは本当に大変なことだよ。考え、改善を続けたね。
学校もしんどいし、家もしんどい。それでも自分をコントロールして、少しでも前進しようとしている。本当に凄いことだよ。私は君を尊敬するよ。
そして、記憶することや理解力もやっていけばどんどん改善される。知っていることが多ければ多いだけ、理解も記憶も楽になるから。以前より、用語も語彙も覚えるのが楽になっているね。
まだ英語の読み込み量は足りないけれど、それも今のペースなら11月にはかなり改善できる。
心配なのは体調だけ。頑張らなくていい。頑張ることが続かないことをUさんはよく知っているし、私が言っていることを本当に理解していたら、頑張るなんて言えないはずだからな。笑
頑張るなんて不確実なものに頼らない。
どんな状況でも勝ちを掴もうとするなら、頑張らずにできる仕組みを作らなくてはいけない。モチベーションに頼らずできる方法。それをしっかり考えられた。ちゃんと私が言ってきたことを理解して、実行出来てきたね。
休む重要性もしっかり理解出来ている。よくここまで自分を鍛え上げたよ。成長したね
あとは体調に気をつけていくだけ。一年前にはとても無理だった志望校も背中は十分見えてきたよ。受験が終わるまであとちょっと。最後まで一緒に踏ん張ろうね。頑張るのではなくて、頭はクールにね。最後の1秒まで諦めない。Uさんはもう分かってることだね。
いつも期待してます。
T君、1,162分
季節の変わり目で寒暖差に引っ張られて、安定させるのが難しい月でした。しょっちゅう体調を崩していたので、暗記物のメンテナンスが足りなくなっていた気がします。 政経は定期的に過去問を解きその範囲の畠山とメモリーバンクを読むことにより、かなり定着させることができるようになってきたかなと思います。当面の課題は英語でしょうか。模試においては英作文はもちろん、些細なところも単語や訳出ミスなどの実力不足を感じたので、やっておきたい英語長文500でしっかり確認し直していきたいです。
体調が悪かったのは痛かったね。記録も緩んだ。
政経に関しては演習量を稼げたことはよかった。政経を安定させられるかどうかは大きいからね。
配点の上で英語が最も高いことは間違いないけれど、社会は演習量を確保出来ればそれだけ得点は安定していくからね。多くの問題を解くことは大事。テキストではそれほど書かれてないけれど、入試問題でよく出てくるところはある。そして重要度は過去問を解かないと身につかない。
メモリーバンクまで完成すれば、志望校の一つである中央大学の法学部までは対応できる。早稲田の場合は問題形式が特殊で、国語力や常識で選択肢を絞っていくようなことが必要になる。中央の法学部までの知識を身につけて、演習していくこと対応力を上げていこう。
国語はすでに対応できてるからね。過去問演習やりつつメンテナンスしていく形でいい。早稲田対策の前に漢文のメンテナスはしたいね。模試ラッシュも終わったから、週末の演習を軸にして、何を強化するかという流れを作り直したいね。
英語に関しては、和訳や英作もあり、基本をきっちり抑えているかを問われている形式だからね。やっておきたい英語長文500が終わったら演習に入るとして、今までのテキストの復習をしていきたい。早稲田や中央の法学部対策となると、正誤問題の対策を入れたい。正誤問題専用のテキストを使った方が、全範囲の対策になるのだけれど、演習してからどれかを選択したいね。
ただ、これも三科目演習してから考えよう。やれば得点は伸ばせるけれどどれも重たいテキストだし、この時期はあくまで総合点をいかに早く伸ばせるか考えなければいけない。今までのテキストの精度を上げる方が、時間対効果が高いことはありうる。
1秒でも早く合格最低点に届くようにするためにはどの科目の何をやればいいか明らかにする必要があるからね。だから、記録と報告はしっかりね。
満遍なく強化では時間が足りないからね。
そして、復習のタイミング、演習のペースなどを維持するためにも記録はしっかりね。勉強に集中できる環境になってきた。コンスタントにできるか、記録がしっかり出来るかどうかが鍵だよ。
やらなかった後悔はずっと残るよ。そして、それは下手すると生涯続いたりするんだよ。いや、本当にね。そんな生き方はしたくないだろう。してほしくもないよ。そうなるとあとは余生になっちゃうからね。笑
T君は力は十分あるよ。やれるだけのことをやって、受験を終わらせよう。ベストを尽くそうね。ベストを尽くすというのは頑張るということではなくて、目標を達成するためにできることをすることだよ。厳しいこと言ってるけどね。疲労感を満足感と取り違えないこと。最後の1秒まで可能性を上げるように考え続けること。どうやったら可能性を上がれるかなんて記録してなきゃわかるわけもないだろう。笑
よくわかってるだろうけど、こんなこと言えるのもあと3ヶ月しかないからさ、最後まで言うよ。嫌だけどねえ。笑
合格してどうしようもない行き詰まりから抜け出そうとしてキツイ3年間送ってきたんじゃない。十分生き方を変えられるところまできた。他人は変えられないけど、自分は変えられるよ。
私はそう思って生きてきた。どうしようもないことは沢山あるけれど、受験に関しては、どうにかできることでもあるからね。ある程度は。
あと3ヶ月。悔いを残さないようにやり抜こうね。いつも期待してます。