7月が終わった。1学期の期末テスト、そしてその後に続く学校行事など、慌ただしくも濃密な日々を過ごしたことだろう。

今年は空梅雨で、例年より厳しい暑さだった。体調維持も難しい中、それでもまとまった時間が確保できる夏休みを前に、夏の学習計画を着実に進めるための準備ができたことは非常に大きい。

テスト期間中にいったん落ちた学習ペースを、いかに立て直すかが勝負の分かれ目となる、難しい月でもある。この期間を有効活用できた生徒は、夏が明けてから一気に力を伸ばすことができる。

一方で、リズムが崩れた生徒、特に浪人生は夏以降に失速することも多い。日々の記録が、失速する兆候が出たときに対応する命綱となる。

夏までに伸び悩みを感じている場合でも、夏期講習期間は方向修正できる最後の期間だ。リズムが崩れないように、夏期講習も前倒しで講義を行った。特にオンラインテストはうまく活用して、力をつけられているのは好材料だ。

では、振り返ろう。

2025年7月 受験生クラスの総評
2025年7月 受験生クラスの総評
7月となった。6月後半には期末テストがあり、それに加えて文化祭・体育祭やその準備等もあって体力的には厳しい月だった。 テスト前にはそれぞれの課題を進めることがで…

Cさん、8,285分

今月は今までで1番自主学習の時間が取れました。来月は平均10時間勉強して、進度表を毎日付けるように心がけようと思います。

7月は、Cさん自身の言葉にもあるように、これまでにないほど自主学習の時間を確保できた月だったね。

リズムを崩さずに行けたのは大きい。夏休みに入って学校の図書室で勉強するという習慣が崩れずにここまで来ているのも好材料。

は素晴らしい成果だよ。

ただ、私が何より感心したのは時間の量ではなく、時間の使い方の質だったんだ。

合計8,285分という学習時間は、遠足があったり、学校行事などで慌ただしかった日々を考えると、うまく時間を使えたといえるね。毎日進度表を付けられたわけではないけれど、付けられた日は正確にやった内容を記録出来たのは素晴らしいことだよ。

6月は本当に日本史に時間を取られていたので、しっかりバランスをとりなおせた。

6月はこうだったんだよね。

英語の約3倍も日本史に時間を使い、英語・国語を足した時間より社会の方が多かった。倫理の勉強時間があるとは言え、バランスが崩れていた。

バランスをしっかりとれたね。でも7月は、日本史を平均64分に抑制できた。60分制限をほぼ守れたといっていいね。先月にミーティングで話したことをしっかり守れた。記録を精密に出来るようになったことは大きい。成長を感じるよ。

7月の期末テスト開けから、現代文に時間を使えたことは大きいよ。まだ、結果は返ってきてないけれど、共通テスト模試で85%程度。現代文の読み方をマスターしたことは大きい。直近の名古屋の演習でも現代文は十分対応出来るようになってるからね。

後は演習していくのと、語彙強化で伸びていく。

国語は過去問演習中心に進められる体制にはいった。正直このまま過去問演習だけでも成果はあげられるけれど、国語は他の受験生に差をつけられるので、夏休み中にまだ対策が出来てない和歌はやってしまおう。

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動画、ちょっと細かいと思うけれど、一度やっておくと楽になるよ。自然と人事の二通りで掛詞を理解しなければならないとか、縁語とかね。特有の読み方があるからさ。読み方を知っていれば対応出来る。。併願校の同志社も和歌は出題されることもあるからね。

国語は他の受験生に差をつけられる科目として絶対的な武器に出来るよ。

実戦トレーニングと併用して行くと、多義語も強化出来るからね。隙間時間にうまく回していこう。

フォーミュラはもうメンテナンス状態になっているので、実戦トレーニングを適宜使っていく形でいこう。和歌をやってるから巻末の資料からやっていこうか。

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問題形式での演習が古文で不足していると感じる場合はこっちを。同志社や立命館の訓練にもなるからね。ただ、名古屋大学のオープン模試が終わるまではやらなくて良いよ。英語を詰めたほうが良いからね。

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現代文が安定してきたのは大きい。国語に掛かる時間も減るからね。

現代文は正直名古屋の対策になるようなものは過去問が一番ということになるので、英語とのバランスを味ながら適宜演習だね。名古屋のオープン模試が終わってからかな。

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重要語700は出来れば、夏の間に回しておきたいね。現代文、読み方はかなり覚えたから、後は語彙強化だよね。ただ、英語の方が今は得点を伸ばしやすいからね。このあたりは相談しながらいこう。

英語に関しては、英作の準備ということで、オンラインテストでかなり「覚えている」状態を作れたよね。夏休みの間に、読解、英作の底上げとしてスクランブルは仕上げておきたいね。

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英作、構文を知らないと時間内に書く事は難しいし、読解でも構文を覚えていれば格段に楽になる。イディオム、これは品詞別に別れていたり、英作に使う時に実践的でもあるしね。

そして、構文とイディオムの精度があがることで、読解は更に伸ばせるからね。英作はどうしても書けないことはあるけれど、解釈は違うから。

プラチカは学校でやってるものよりレベルは高いけれど、精密な構文把握を要求されるし、私が厳しく採点出来るからね。英作の為の語彙・構文・文法知識をオンラインテストやスクランブルで固めて、プラチカで解釈を底上げ。これが終ったら英語は過去問演習に移行しつつ、英作対策を少しずつやっていく形で良い。

プラチカが始まったけど、十分食らいつけてるね。今のCさんにちょうど良いレベルだよ。同格も、ああいうパターンは始めてみたんだじゃないかな。7月にスクランブルで基礎を固めた成果だね。暗記物を詰めた努力が、確実に実を結んでいる。

「覚えている」状態から「できる」状態への移行が、まさに今起きているんだ。

良く踏ん張っている。体力的にもしんどい時も正直あるはず。くどいけど、疲れたと思ったら寝るように。いまのCさんがモチベーションが落ちてたら休むのが最適だよ。

睡眠時間が456分→406分と50分も減少した。これはちょっと懸念材料ではある。

約6時間46分という睡眠時間は、短期的には気力・体力が充実していても、8月後半から9月にかけて疲労が蓄積するリスクがある。失速するのってたいていバテテしまうからなんだよ。

東京大学の研究でも、高校生の睡眠時間が7時間を切ると、記憶の定着率が有意に低下することが示されている(Kuriyama et al., 2024)。特に、暗記物の定着は睡眠中のレム睡眠期に行われるから、せっかく覚えたスクランブルや日本史、古文の内容も定着しにくくなる可能性がある。

でも、Cさんは、成長したよ。朝に重たい科目を配置するなど、体調管理の工夫ができていること。この自己管理能力があるからこそ、睡眠時間が少なめでも質の高い学習ができているんだね。でも、まあ休もうな。笑

共通テストに関しては倫理以外の文系科目は90%近くの得点率にきたからね。もう大丈夫。

英語、国語、日本史に関してはもう二次レベルの対策で十分。数学が少し底上げ出来たら二次試験も楽になるしね。週末の予備日に倫理、理科は軽く触れるだけで十分。

マーク模試でスピード不足だったけど、解き直したら20点以上の向上余地があった。これは朗報だよ。「わからない」のではなく「間に合わない」だけなら、毎日の演習で必ず改善できる。この時期に共通テストが合格者平均を超すレベルまで到達出来たら、二次に集中出来るわけだからさ。

配点考えると、英語、国語、日本史がもう二次レベルだけというのは大きいのよ。わかってるはずだけど、書いておくよ。

  • 共通テスト
    • 合計:950点
    • 国語:200点
    • 数学:200点(数学Ⅰ・A、数学Ⅱ・B・C)
    • 理科:100点(基礎2科目、または発展1科目)
    • 外国語:200点(リーディング150点、リスニング50点)
    • 地歴・公民:200点(2科目選択)
    • 情報:50点(情報Ⅰ)
  • 個別試験(二次試験)
    • 合計:1200点
    • 国語:400点
    • 地歴:200点(日本史探究、世界史探究、地理探究から1科目選択)
    • 数学:200点(数学Ⅰ・A、数学Ⅱ・B・C)
    • 外国語:400点

2,150点の配点のうち、英語600、国語600点あるわけだからね。共通テストが合格者平均をとれるなら、英語、国語が80%とれたら、数学、日本史は0点でも合格出来るんだからね。

数学の共通テスト対策が出来たら、80%を共通テストで切ることはない。

8月は「平均10時間勉強」「進度表を毎日付ける」という具体的な目標を掲げたのはいいね。進度表を毎日付けるのは大事。けれど、時間は考えなくて良いよ。笑

というのは、時間より実際にやった量の方が大事だからね。量というより質といったほうが間違えないかな?

勉強時間だと、疲労感と実際にやったものを誤解しがちだから。Cさんはしっかり記録を付けているからそんなミスはしないと思うけれどね。一応書いておきます。

このように、目標を明確にし、その達成のための行動を具体的に計画できるのは、受験生として非常に重要な能力だよ。ミーティングで何のためにやるのかうるさく話してるよね。ちゃんとその意味を理解出来るようになっている。

7月で最も成長したのは、記録の精密さだ。Cさんより勉強する受験生はもっといると思うけれど、しっかり時間の使い方や、メンテナンスなどを考えられるようになってきた。

進度表を付けられた日は、完璧に記録できていた。いろんなところが改善したよ。

  1. 暗記物が緩んできた瞬間を自分で認識出来るようになった。(記録してないと無理だね)
  2. 隙間時間で暗記物を回した(記録してないと無理だね)
  3. 日本史の時間超過を自己監視(記録してないと無理だね)
  4. 国語への時間配分の最適化 (記録してないと無理だね。現代文を間をあけずにしっかり動画を進めた)

これらが全て、自分で判断して実行できるようになった。

これこそが「メタ認知」出来るようになったということなんだよ。メタ認知って俯瞰して自分を見られるようになったということ。これ記録がないと無理なのよ。

実は、メタ認知の研究では興味深い結果が出ている。Zimmerman & Martinez-Pons(1988)の研究によると、メタ認知は、一般に学習に影響が強いと思われる知的能力以上に、学習結果を高める効果が示されているんだ。つまり、「頭の良さ」よりも、「自分の学習を客観視する力」の方が、成績向上に直結するということ。

本当に記録なんだよ。記録してないと解像度が低い。ここが最も成長した。演習の報告もマメに出来たしね。

この能力は、1970年代に心理学者のJohn Flavellが「メタ認知」として定義して以来、教育心理学の最重要テーマの一つとして研究されてきた。

そして今、Cさんはまさにその力を実践的に身につけているんだ。

記録することで「何ができたか」「何が足りないか」を客観的に把握でき、効率的な学習に繋がる。

書いてなかったらわからない。日本史と他のバランスをとれたり、演習結果から暗記物を自分で考えてメンテナンスできるようになったのは、本当に成長したと思うよ。

これは受験勉強だけではなくて、一生使える技術だよ。

Cさん、君は本当に賢い。何をやるべきかを理解し、納得した上で、集中して実行できる。この能力は、受験だけでなく一生使える財産だよ。一緒に勉強出来るのもあとちょっと。普通にやれば普通に勝てる。

睡眠はマジで気をつけてくれ。笑 そして、これだけ褒めたけど、8月進度表スカスカだから、ちゃんと記録しなさいよ。君、過信するところあるからね。

7月の成長を土台に、8月も着実に前進していこう。体調に気をつけながら、自分のペースを守ろうね。

いつも期待しています。

ノザキ塾