速読英単語の使いかた

速読英単語がどのようなテキストなのかについては、速読英単語 必修編で取り上げました。

速読英単語 必修編
速読英単語 必修編
速読英単語 必修編 久しぶりにテキストの紹介をします。 英語のテキストのなかで、受験生が一番長い時間使うことになるものは英単語集と言って良いでしょう。 それだけ.....

速読英単語は情報量が非常に多いテキストでしたね。そのため、使い方も多岐に渡ります。

もちろん、速読英単語のテキストで紹介されているも効果的ですね。

速読英単語のテキストで紹介されているやり方。

手元にある改訂第5版では4つのステップに分かれています。

  • Step1 英文を読む 意味を推測しながら和訳を読む 別冊解答を読む
  • Step2単語を覚える まず、出てきた単語を覚える。それから、派生語、類義語、多義語を覚えて語彙ネットワークを広げる
  • Step3 単語の知識を広げる 接頭辞、接尾辞など形で意味を推測できる語、多義語、ニュアンスが違う類義語などを確認
  • Step4 英文を読む 一分間に100語を目安に速読する。10回を目標に音読することも効果的。CDを使うことを推奨。

効果的なやり方です。改訂第5版は、別冊解答があり、文法的な補足もあったのでこのやり方も良いと思います。

これを見てわかるように、Step1で意味を推測しながら読むことが前提になっています。

速読英単語を使うなら、最低限の文法を理解していなければ、このテキストは使うことが難しいということです。

その場合は、最低限の文法知識、文型、品詞などの知識を身につけてから使うべきです。

もちろん、自分のレベルより上のテキストを使うことは知的な成長を促すこともあるかもしれません。

しかし、受験はすべて時間制限があります。

効率よく使える段階にいたってから使うことを強く推奨します。

では別冊解答がなくなった改訂第6版ではどうなったのでしょう。

  • Step1 英文を読む 推測しながら読む わかりづらい場合は和訳を参考にしながら何度か読んで、大まかな内容をつかむ
  • Step2 単語を覚える 単語の語義を赤シートで隠して、確実に覚える。繰り返す。
  • Step3 英文を繰り返し読む 最低5回 目標10回音読する。

改訂第6版もStep1でも意味を推測しながら読むことが前提になっていますね。

改訂第6版でも、最低限の文法知識、文型、品詞知識が必要ということです。

もし、速読英単語の文がわからないなら、文法に戻ることを強く推奨します。

みんなが使っているから、自分にあっているかどうかは違います。

急がば回れ。

しっかり基礎を固めてから速読英単語に戻りましょう。最大限の効果が得られます。

速読英単語をメインテキストとして使うか、サブテキストとして使うか。

結論からいえば、どちらもありです。

ある程度文型、文法知識がある受験生なら多読用のテキストとして、サブテキストしての使用も効果があります。

『システム英単語』、『コロケーションで覚える英単語』など、単語や短い文中心のテキストを使っている受験生なら多読用として、使うと実際の文中で使われている形でより定着しやすくなります。

速読英単語の音声教材はよく出来ているので、リスニング用に使うのもいいですね。

単語だけの発音と、実際の文章で発音されているのを聞くことはリスニングの強化になります。

知っているスクリプトを聞くことは、文字情報と音声を対応させるのでリスニングの訓練になりますね。

速読英単語をメインテキストして徹底的に使う方法

私のところでは、速読英単語はメインテキストして使っています。

どのレベルの生徒でも使うということですね。難関大学受験生は早い段階で速読英単語を使うことになります。

何度も繰り返していますが、速読英単語は、きっちり文型がわかり、最低限の文法が頭に入ってから使うことが、最大の効果を生みます。以下のチェック・リストを確認してみましょう。

速読英単語を使うレベルに達しているか

  • 品詞を理解している
  • 形容詞が修飾する品詞がわかる
  • 副詞が修飾する品詞がわかる
  • 5つの文型を理解している
  • 区と節の違いがわかる
  • 文型がわけられる
  • 一文中に原則SVは何回くるかわかる
  • 準動詞をとる文法項目を3つあげることができる
  • 前置詞の後に来ることができる品詞がわかる
  • 前置詞+名詞は文型要素として何になるかわかる
  • 疑問詞の品詞がわかる
  • 関係代名詞の品詞がわかる。例外となる一つの品詞がわかる。
  • 関係代名詞と接続詞の違いがわかる
  • 形式主語、形式目的語がわかる。

もし、このチェック・リストでわからないところがあったら、文法書に戻るべきです。時間がかかっても、品詞理解と文型の理解は重要です。ここがしっかりしていない人は、どんなに単語を覚えても、伸び悩みます。土台が脆い上に、高層ビルを立てるようなものだからです。

結局のところ、品詞がわかっていて、文型がわけられるということです。

生徒を教える場合、このようなチェック・リストでレベル測定をしてから、適切なテキストを選択しています。

そのひとのボトルネックを理解せずにテキストを勧めたら、どんなテキストに効果があるテキストでも効果は得られません。

また、品詞、文型がわからない人のためには記事を書こうと思っています。

英語ができない人に共通しているのは品詞、文型意識の欠如です。英語がある程度できる人でも、文型意識の欠如が伸び悩む原因になっていることは本当に多いんです。

辞書代わりに使う

これは英単語、英熟語のテキストなどのテキストであれば、いい方法です。

記憶できるかどうかは、結局のところ反復回数なわけです。それなら、他のテキストをやる際にも辞書代わりに使えば、見る回数も増えますし、速読英単語を実際にやるときに負担が少なくなりますね。

なんども言っていますが、日付をかならず入れましょう。

日付、調べたことがわかるようにすれば、記憶するのも容易になりますね。

文型を分ける

速読英単語の長所の一つは、文章が短いこと、70本の英文によく出る単語が網羅されていることですね。

文型を分けるのをマスターするのは、構文解釈系統のテキストを使うというのも一つの方法ですね。

『英文読解入門基本はここだ!』などは読解では素晴らしいテキストだと思います。素晴らしいテキストなので、文型把握に苦手意識がある受験生、特に独学の人には勧めたいですね。

ただ、このようなテキストで英文の構造に意識が行くようになったとしても、量をこなす必要があります。

英語で文型を決定するのは動詞です。速読英単語の文型を分けることで強固な構文理解が可能になります。

構文把握系のテキストの多くは、複雑な構文を理解させるために、基本的な動詞の文型はあまり取り上げてありません。当然ですね。

速読に必要なのはみなさんなんだと思います?難しい構文を早く読めることではないですよ。

早く読むの必要なのは、簡単な文が早く、正確に読めるようになることです。

よく使われれる動詞を含む文章の文型を分けてることで、スピードは向上します。

難しい文を早く読む必要はないです。難しい文は正確に読むためにスピードが落ちるのは当然です。そもそも早く読んではいけないんです。難しいんだから。

日本語だって、難しい文にあたったら、その文を正確に読もうとして速度は落ちますね。それがちゃんと読むということです。

全体としての読む速度は構文把握が正確に処理できるのを繰り返す結果早くなるわけですからね。

難しい構文を分析する時間を稼ぐために、基本的な文に数多くあたり、文型をわける。

そのプロセスでどんどん時間が短縮します。

コンパクトで良い文章が集まっている速読英単語は、文型をわける練度を上げるのに適したテキストです。

私のところでは

  • 文型を分ける
  • 語順訳を作る
  • 映像授業を視聴して、文型、語順訳の訂正。
  • 1回目のWPMを測定して記入。
  • CDを聞き、音読を5回繰り返す。
  • WPMが基準に到達しないものは、シャドウイング10回。
  • WPMを測定する(一分あたりの速度を測る。)
  • 音読(WPM)測定。達成しない場合は、また音読してから再挑戦
  • 単語ページの暗記

このプロセスで速読英単語をマスターするようにしています。生徒によって回数、WPMの設定は異なりますが、概ねこのような点を意識しています。これは改訂第5版の例ですが、どのようなものか、みなさんにわかってもらうための例として写真を載せておきます。

語順訳を作る

語順訳を作るとはどういうことでしょうか。英語ができる人は自然とやっているかもしれませんね。

速読できるようにするためには、語順通りに英語を理解する必要があります。

和訳をするには複雑なプロセスがありますね。

無生物主語構文な副詞的に訳したり、動詞によっては目的語を主語の様に訳さないと日本語しては成立しません。

関係代名詞は、英語では後置修飾するもので、情報構造にかなったものですが、日本語の場合、名詞を修飾するために前にもっていくなどの操作も必要です。

語順通りに読みながら、日本語として正しい文章にするのは実際には語順訳をさらに変形する工程が加わるために、ミスが多くなります。

そのため、私のところではすべての英文(例外はありません)に文型を分けるように指導します。

英文を語順通りに理解する訓練をしてから和訳をつくるべきなのですね。

そして、この画像をみてもらえればわかると思いますが、英作にも転用できるようにしてあります。

語順訳にも文型を分けておくわけですね。

文を作ろうとする時に、「まずSを作ろう。Vの部分を考えよう。Mの部分を考えよう。」このようにプロセスを分解することで、きっちりした英文が作れるようになります。

うるさいようですが、意味で大きく区切るのは、初学者の段階では適当にスラッシュを入れるだけになり、メリットよりデメリットのほうが大きいので勧めません。

あくまで、品詞、文型にこだわって訓練段階では厳密に文型を分けて区切り、語順訳を作るべきです。

このサイトでは、独習者も対象にしているので、文型をしっかりわけずに、意味単位で切るテキストは推奨しません。

文型がわけられるようになっていけば、意味単位で大きく切ることは可能になりますからね。それは個々人であとで工夫するべきことです。独学であればあるほど、正しい方法で学習しなければ時間のロスが大きくなります。

文を理解する

私のところではその他に、同意表現の解説や文型の詳細な説明を加えていますが、独学でも出来ます。

まずは、「読解アシスト」をダウンロードしましょう。

改訂第6版では、改訂第5版まであった別冊の英文解説がなくなりました。が、「読解アシスト」がZ会のサイトからダウンロードできます。リンクを張っておきます。

解釈が難しいものは、かなりここでも解決できるでしょう。

まだ、これだけで足りない場合はアプリの「速単教室」に有料ですが、解説動画もあります。

独習者には勧められますね。

高校生だったら、学校の先生に聞くのも良いと思います。浪人生は予備校に行っているなら予備校で聞きましょう。どうしてもわからなかったら、ツイッターで質問してもらえれば、答えましょう。

アプリに話を戻します。

ただ、アプリはログインの時にメールアドレスをいれなければいけないのはなんとかして欲しいところですね。せっかく良いものを作っているのに、ここで手間を掛けさせるのはなんだなと思います。Z会さん、なんとかなりません?

WPMを測定する

WPMとは一分辺りに何語読めるかの略称です。速読英単語ではWPM100を目指すと言っていますが、100では遅すぎます。何故か。

みなさん、会話の速度を考えて見てください。WPM100では遅い。大体会話の際のWPMは160前後と言われます。そもそも、母国語でないものを読むことが出来ないのに、聞き取ることができますか?

無理な話ですよね。

で、私のところではこういう形でやっています。

まず1回目、文型を分けて、文法的にも理解できて、単語もわかっている状態で黙読する。

その際に、文型を分けてあるものを見ながら、日本を語順訳で思い浮かべながらやります。

私のところは自動的に集計できるように作ってありますが、別に手計算でもなんでも構いません。

構造を完全に理解したものでやるのがポイントです。

全部わかっていても、普通、語順訳を思い浮かべたらWPM160はいきません。

音読をするのは、文型と語順訳の繋がりを自動化するためのものなのです。

もちろん、リスニングにも役に立ちますよ。

でも、それは文型と語順訳ができるようになってからでないとできません。

この順番でやることには意味がありますからね。

実際に音読するのは、この次に音声CDを使ってからですよ。そうでなかったら、正しい発音を覚えずに訓練したら意味がないですからね。

まとめ

ものすごい長さになってますが、まだ終わってないんです。記事が長くなりすぎたので分割します。

文型と品詞理解がとにかく大事。音読も大事。

でも、なぜ、そうする必要があるかを知らないでやったら効果は薄れます。

音読を多くすることにメリットはたくさんありますが、なぜ、音読するか理解しなければ、得られる効果も半減します。

これだけ速読英単語のことを書いていると、なかなか他の記事が書けないはずですね。

寒暖差が激しくなってきましたね。

ここまで頑張ってきたのだから、みんな、体調崩さずなんとかふんばろうね。

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