8月が終わった。夏期講習という集中的な学習期間を経て、それぞれが大きな成長を遂げた月だった。
今年の8月は記録的な猛暑で、連日の35度超えという過酷な環境だった。エアコンをつけていても疲労は蓄積するし、部活がある1、2年生にとっては体力的にも精神的にも厳しい日々だったはず。
それでも、夏期講習の目標はほぼ達成できた。何より大きな成果は、「見たことがある」「覚えている」状態をかなり作れたことである。特に1、2年生は高校英文法の既習範囲が受験レベルまで到達した。オンラインテストでしっかり量をこなし、授業でも演習時間を確保できたからこその結果と言える。
学校が始まってからも「見たことがある」ものは格段に覚えやすくなったのを感じているだろう。
ただし、9月は要注意の時期でもある。
夏の疲れが出てくる頃だし、文化祭や体育祭といった学校行事でリズムが崩れやすい。2学期が始まって学校のペースに巻き込まれ、せっかく夏に作った学習リズムを見失う生徒も多い。
この時期に最も大切なのは、睡眠時間の確保と記録の継続。
記録があれば、学校行事で勉強できない時期でも、今何をやるべきかこちらも提案できる。逆に記録が途切れると、せっかく積み上げた「覚えている」状態も見えなくなってしまう。
夏に頑張った分、ちょっと気を抜きたくなる気持ちもわかる。しかし、ここで緩んでしまったら夏の努力が水の泡になる。記録が緩んでいる傾向があるので、ここで、リズムを戻していこう。
では、振り返ろう。
Cさん、10,515分
今月も自主学習の時間が多く取れてよかったです。夏休みも終わったので、過去問演習も初めていきたいです。
Cさん、8月は本当に素晴らしい月だったね。
10,515分という学習時間。7月の8,285分から2,230分も増加している。1日平均約339分、約70分以上毎日の勉強時間を増やせた。過去問演習中心に進める準備がどんどん整いつつあるね。
何より嬉しいのは、睡眠時間が406分から461分(約7時間41分)に改善したこと。前回、睡眠は気をつけようねと書いたけれど、しっかり意識できたのは大きい。夏バテで失速する生徒は毎年いるからね。欲を言えばもうちょっと眠れるとよかったんだけれど。
学習時間が大幅に増えたにも関わらず、睡眠時間も確保できた。これが本当の意味での「質の高い学習」だよ。睡眠時間も確保できているから、モチベーションも切らさず、時間あたりの効率も良かった。
そして記録。8月は記入できない日がなかった。これは大きな成長だ。
7月の総評で記録をしっかりねと話したけれど、ちゃんと出来たね。勉強時間も多かったけど、どの科目適切なタイミングで勉強できたので、時間以上に質が高かったよ。
記録があるからこそ、学習時間の増加も睡眠時間の改善も数値で確認できる。そうじゃなかったらここまで進まなかった。10,000分の勉強時間、どの時間も最高効率に近かったと言える。
英語の成長が特に目覚ましかったね。知識の不足と、失点になるかもしれないところをかなり詰められた。
プラチカで準動詞を完全に終わらせ、特に難しいイレギュラーな独立分詞構文もしっかりマスターできた。同格の処理では、カンマの同格や不定詞の形容詞用法で、2回目にはちゃんと同格の可能性を疑って訳出できるようになった。この辺りはやっぱり集中してできると大きいよね。
学校ではそんなにやれてないところだから、強化できて穴をなくせたのは大きいよ。英語、国語で出来るだけ得点を稼ぐ受験パターンだからね。
訳出にかなり注意を払えるようになったのは大きな成長。
無生物主語構文もしっかり処理できている。「できる」状態がかなり増えた。Cさんは理解力に比べて、暗記が追いついていないところがあったけれど、それはかなりなくなった。確実性が増したね。大崩れしないようになれば、当然合格可能性は上がるんだから。
ネクステージの抜けているところもかなり埋められたし、スクランブルハイグレードも終わらせられた。そして何より、模試が過去の最高の出来だった。第1回より英語はかなり向上するはずだよ。
これらの成果は偶然ではない。毎日の記録と継続的な学習の積み重ねが、確実に実を結んでいる証拠だからね。スクランブルや同意表現、盲点になりそうなものや、意外な意味になる分詞形容詞なんかもできたしね。
国語も大きく前進した。
和歌を3回回せて、訳出のパターンを掴めた。併願校の同志社では和歌の出題もあるし、国語に関してはこれでやっていない範囲はなくなった。名古屋の演習中心にいつでも入れる。ただ、先に同志社の対策を終わらせておけば、英語、国語も同時に名古屋の過去問演習に入れるからね。
もちろん、漢字やまだ訓練していないテーマはあるけれど、完成に近づいている。金の漢字は学校はじまったらコンスタントに回せたしね。
今後は過去問演習と、重要語700。それと古文100で厚みをつけることになるかな。
漢文は取れているので、過去問演習して取れなかったら、強化をしていくことにするね。
日本史も戦略的に進められた。
名古屋のオープン模試まで60分制限をしっかり守り、オープン模試以後は120分制限にして過去問演習中心に移行出来た。日本史、通史がものすごいスピードで終わったから、どうしても抜けてるところはあるからね。コツコツ産めていこう。
第2回全統記述模試では自己ベスト。名古屋オープンでは、数学がやはり得点を伸ばすのが難しいことを考えると、日本史を底上げした方がいいという方向性が明確になった。数学に関しては共通テストの得点を伸ばす方針が決まったのは大きな収穫だった。
過去問を解くことで弱い範囲をしっかり潰し、知識が整理されつつある。日本史、特に名古屋は論述問題が出るわけだから、一定のテーマでまとめられている過去問を解いてサブノートを作っていくことで、テーマに合わせて知識も整理される。論述対策にもなるからね。
9月には国語と日本史が終わる予定だ。過去問演習に入るだけのテキストはこなした。予定通りの進行で素晴らしい。
この調子でいけば私大対策も早い段階で終わり、学校が共通テスト対策中心になってもバランスを取れるはずだからね。どうしても、学校で共通テスト対策中心になってしまうと二次試験や私大対策に手が回らなくなってしまう。今のうちに私大対策も進めておけば、直前になって慌てずに済むしね。
しっかり体調管理して、バランスをしっかり取れた8月だった。
ただし、9月は学校行事もあり、リズムが崩れやすい時期だ。せっかく8月に築いた学習リズムと記録の習慣を、絶対に途切れさせないように。
記録を毎日つけるのは大変だと思うけれど、8月にできたんだから9月もできる。記録があれば、学校行事で忙しい日でも何をやるべきかこちらも提案できるからね。
Cさん、8月は申し分なかったよ。納得しないとやらない性格だけれど、一度納得したらとことんやり抜く。その姿勢が8月の成果に表れている。話をちゃんと聞いてくれよ。笑 ちゃんと聞いてくれたらこれだけ進められるんだからね。
睡眠時間も学習時間も記録も、全てバランス良く管理できるようになった。これは受験だけでなく、一生使える能力だよ。受験まであとちょっと。この調子でいけば、普通に合格できる。失敗するとしたら体調維持と記録が緩むこと。これだけ褒めたのに、9月はちょっと緩んできたから、リズムを戻そうね。
いつも期待しています。