大学受験に英熟語はいらないか 必要に決まってる
注:もともと別サイトだった「はじめての学習計画」で最も読まれている記事です。英熟語がいらないなんてどうあったって言えるわけがないですからね…
生徒から、「大学受験に英熟語は必要なんですか」と聞かれて、耳を疑ったので、その真意を確認しました。
ネットでそんな記事を読んだとのことなので、そんなわけねーだろという事をしっかり伝えておきたいと思います。
かなり腹が立っているので、きっちり説明しておきます。
学習塾やネットで教えるというのは、そもそも信頼されないので、キャッチーな事をいってアクセスを稼ぐ必要があるのはわかりますが、それを鵜呑みにする受験生がいたらどうするんだよ。
おっさん怒ってますので、ちょっと失礼かもしれませんが言わせていただきます。まあ、あだ名が狂犬ですからね。噛みつきましょう。
先にいいます。
英熟語は絶対に必要。単語と同時に強化しなければならない。
なんで英熟語が必要ないかもしれないなんて思ったの?
その根拠をまとめると、以下のようになります。
- 英語長文には英単語が英熟語より多い。
- 英熟語は、英単語に前置詞が組み合わさってできている?(副詞と組み合わさったものは熟語じゃないの?)
- 英単語を覚えていれば、推測できる熟語は多い?(そもそも受験生が熟語を覚える必要があるのは、推測できないものが圧倒的に多いからでは?)
- まずは必要な英単語を完璧に覚えることが、最重要事項(同意できない、受験で必要な単語を完璧にするのにどれだけ時間が掛かる?しかもあとで、熟語を完璧にするために単語を疎かにするなと述べている。完璧を目指していたら時間切れになるのでは?)
- 志望校の過去問を解いて合格点が取れるようであれば、さほど英熟語は必要がない?(あたりまえだろう!)
- もちろん英熟語が必要ない、と言ってるわけではありません。(それなら書くなよ。)
大人げないですが、一つ一つ反論していきましょう。
英語長文には英単語が英熟語より多い
あたりまえですね。だからといって、英熟語は必要ないかもと受験生に思わせるのは絶対に間違っています。
まず、受験生が英熟語を覚える必要があると思っている必要性から考えてみましょう。
あなたが、英熟語を覚える必要があるのではないかと思ったきっかけはなんだったか。普通は英熟語を模試や学校のテストで出題されるからですね。そもそも、必要ないのであれば、これだけ英熟語のテキストが存在する理由がないですね。
そして、英語長文に熟語より単語が多いからって、それで得点できるわけじゃないですからね。
このサイトでは、最短時間で合格する学習計画を立てるのが目的です。
英熟語は、多くの場合、英単語を覚えるより得点効率は高いよ。
理由を述べましょう。
過去問をしっかり分析すればサルでもわかることですが、議論を精密にするために英語長文の問題形式について考えてみましょう。一般的な長文問題は、このように作られていることが多いですね。
- 下線部和訳
- 内容一致問題(正誤問題)など
- 空所補充問題
下線部和訳がそもそもどういう為につくられているか考えましょう。もちろん、単語がわかっているのは最低条件として、文法、構文、イディオムが問われるのが普通ですね。なんか当たり前のことを言っていて嫌になってきました。近所のかわいい柴犬でも理解できるようなことです。
なぜ、下線部和訳が長文の中で問われるかというと、これらの、語彙、文法、構文、イディオムが多く入っていて、そこで英語力を測れるからですね。
単語だけ覚えていてとれるなら苦労しねーよ。
内容一致問題は英熟語が絶対に必要です。
内容一致問題がどのようにつくられているか考えましょう。柴犬より賢いみなさんならおわかりだと思いますが、根拠が本文中にあるものが正解として選択肢をつくるわけですよね。
「ベスは賢い柴犬なので、喧嘩はしなかった。」
これが本文中にあったとしますね。(まあ、こんな文はないですよ)
じゃあ、選択肢の正解はどう作るんですか。そのまま、「ベスは賢い柴犬なので、喧嘩はしなかった。」と書きますか?それだったら、誰でも正解できますね。
なので、正解をわかりにくくする為に、同意表現を使って変換します。
「ベスは他の犬と争うほど、馬鹿ではない」こういう形にするわけです。私もベスを見習ったほうが良いですね。
たとえば、この文だったら、
know better than toを使ったり、not so~だったり、enough toを使ったりして作るわけですね。
英語長文中では確かに単語より、熟語が少ないのは事実です。ですが、得点するためには熟語は絶対に必要です。
そもそも私達の仕事は受験生の合格可能性を上げるために存在しているはずです。長文を読めるのが目的ではなく、長文も読めるようにして、試験では合格点を取るようにできることが目的と言えるはずです。
英熟語は、英単語に前置詞が組み合わさってできている?
間違っています。
もう、英文法以前の話ですね。うちの近所の黒猫でももう少し物を考えているように思えます。
まず、イディオムというのはいくつかのパターンで出来ていますね。
動詞+副詞
動詞+前置詞
動詞+副詞+前置詞
名詞と組み合ってできる熟語
be+形容詞+to 不定詞
前置詞+名詞
まあ、これが大学受験で問われる典型的なパターンだと思います。前置詞と組み合ってるものだけではないですね。もう、書いてて馬鹿らしくなってきていますし、お酒も回ってきました。
みなさんは当然黒猫より賢いので、前置詞と組み合わさって出来ているものだけが熟語ではないとわかりますね。
できれば、品詞ごとに整理してください。特に、副詞と組み合わさるパターンは重要です。代名詞を挟むと語順がかわりますからね。センター試験の整序英作でもよく問われます。私は品詞別に分類してある『スクランブル英文法・語法 4th Edition』を勧めます。本当にイディオムは大事ですからね。
追記:2020/07/03
難関校を目指す人なら、こちらも勧められます。他では掲載されてない同意表現なども充実しています。
英単語を覚えていれば、推測できる熟語は多い?
もう、どうしたらいいんでしょうね。センターでもよく問われる熟語をあげますが、単語だけで類推できますかね?
turn up,come about,break in,go off,pick out,leave out,put down,tell on,fall on
単語自体なら、中学生でも知っていますね。
現代英語は、難しい単語を使うより、基本動詞+前置詞、副詞で置き換えた表現を使うことが増えています。むしろ動詞より力点が後ろの前置詞や副詞の意味にシフトしてきているのです。
単語は知っているはずなのに読めない。英語長文で単語がわかるのに読めないという生徒の多くは、こういう熟語を知らないことが多いからです。
熟語は必要です。現代英語の傾向を考えると、単語と同時に熟語も覚えましょう。単語だけだと、文法問題も解くのが難しいんですよ。
まずは必要な英単語を完璧に覚えることが、最重要事項?
単語を覚える必要があることには強く同意します。しかし、必要ってどのレベル?
高校一年生の英文法を理解できるレベル?センター試験の長文を読むのに必要な単語?私大の単語?
必要な単語というくくりはあまりにも大雑把です。
先程述べたように、単語だけでは得点できない現状がある以上、語彙が重要という言い方が正確でしょう。
おそらく、なにも考えていないようにみえるハトでさえ、同意してくれるはずです。
繰り返しますが、受験生の目的は志望大学に合格することのはずです。完璧を目指して時間切れというのは一番避けたいことです。
志望校の過去問を解いて合格点が取れるようであれば、さほど英熟語は必要ない?
もう、ツッコミどころが多すぎですが、これも芸風なのではないかと思えてきました。
まず、志望校の過去問を解いて合格点がとれるなら、英単語であろうが、英熟語であろうが、さほど勉強の必要がないに決まっていますね。近所のコンビニの近くで最近見かける子猫でもわかるはずです。
そして、志望校の過去問を解いて合格点をとれる受験生は、熟語覚えてますよね。これだけ今熟語が問われるようになってるのですからね。
もちろん英熟語が必要ない、と言ってるわけではありません
なら言うなよ。
最後にこれだけボケられるのはまさに練達の芸人なのかもしれません。おっさん吹いてしまいました。
まとめ
私もお金は欲しいですよ。
もう、この先長いこと教えられる気がしませんし、教えることにも倦んでます。このサイトだって、ちょっとでも良いところがあって、私がやっているやり方が良いと思ってくれて塾に来てくれたら良いなという下心はありますよ。
でも、私達がお金をいただくのは、受験生の時間を短縮するためでしょう。本当にテキスト一つの選択で人生が変わることがあるのは、教えている人ならわかるでしょう。
都会に住んでいる人はわからないかもしれませんが、田舎だとネットの情報くらいしかアクセスできないことも多いわけです。商売は商売で良いと思うんです。
でも、不正確な情報を受験生に言って、誤解させるのは駄目だと思います。それは最低限の倫理ではないかと。まあ、私は柴犬のベスより倫理はないと思いますが。
私もこれで「簡単、1ヶ月で劇的に人生を変える学習計画」とかやれば耳目を集めることはできるかもしれないけれど、やりたくないですね。そんなのねーよ。
でも、あったらこっそり教えてください。