復習はなぜ必要か

基礎が大事とよく言われます。

およそ、基礎が大事ではないと言う意見は聞いたことがありません。

みなさんも、予習・復習が大事だと言うことは耳にタコが出来るくらい聞いていると思います。

でも、なぜ重要なのか。

結論から述べます。

学習事項を長期記憶に転化させるためです。要するに、忘れないようにするということですね。

長期記憶とは何か

言葉通り、長期に渡って続く記憶です。長期記憶とは数ヶ月以上続く記憶のことを指します。

私達が学習する目的は、入試で覚えたマスターし、問題が解けるようになることですね。

そのために、長期記憶になるように学習計画は立てる必要があります。

忘れないための工夫ということです。私達の目標は、入試で合格点を取るためですからね。効率を上げる要素をしっかり考えていくことが大事ですよ。

長期記憶に必要な条件

もう皆さんわかりますね。反復です。

いろいろ説はありますが、私達が知りたいのはどうすれば覚えられるかということですね。

予習が大事と言われる理由もここにあります。予習してあれば、授業は復習になりますからね。

反復の重要性に関しては、「エビングハウスの忘却曲線」などいろいろ目にしたことがあるかもしれませんね。

何も復習しなかったら1ヶ月後には80%近く忘れるという有名な話です。

その日、翌日、一週間後、一ヶ月後に学習すればほぼ、記憶は維持できると言われていますね。

DWM法などと言って記憶するための学習法もありますね。いまなら復習するのをシステム化しているアプリもあるのでそれを使うのも有効でしょう。「i暗記」なんかも使いやすく出来ているアプリです。

このあたりは皆さんご存知だと思います。

長期記憶にするために有効な方法

でも、実際、「これが有効だとわかっていても、その日、翌日、一週間後、一ヶ月後に勉強するなんて、受験では複数科目もあるので無理だ。」というのが受験生のみなさんの正直なところではないでしょうか。

いくら短時間で復習がすんで、記憶が定着するといっても常に全範囲の復習をするのは無理です。やる量が少なければ出来ますけどね。

では、実際に長期記憶にできる学習計画を考えていきましょう。

まず最重要なのは

学習したテキストに日付をつける

です。「え?」と思うかもしれませんが、そもそも日付が入っていないと、どのタイミングで復習すればよいかわかりませんよね。「翌日なら大丈夫」と言う人も居るませんが、一週間後は覚えていますか?勉強できない日があったらどうしますか? 記録がなかったら、一週間前にやったことは覚えていないのが普通です。一ヶ月後になるととても記憶しているのは無理だと思います。

間違えたところや覚えていないところに印をつける

当たり前ですね。演習段階でスピードを上げる目的のときは、全部問題を解く練習が必要になりますが、まだ、基礎知識を固める段階なら覚えることが最優先されますね。

覚えているところを反復する必要はありますか?

スピードを上げるのが目標ではないなら、長期記憶にする原則に従って反復回数を増やすように、学習計画を設定することが効率を上げることになりますね。当然、間違えたところ、覚えていないところを反復していくための準備が必要ですね。

二回目、三回目の復習で、なんども間違えるところが反復されるようになりますよね。復習回数が増える分だけ記憶は定着しやすくなります。

正答率や記憶している割合が50%を切っている場合は翌日にそのまま復習することを勧めますが、60%以上おぼえていたり、わかっている場合、暗記する必要があるものであれば、カードを作ることを勧めます。

もちろん、アプリでもいいですよ。間違えたり、覚えられていないものを短時間で反復できる形にするために有効だからです。

テキストだけで復習すると、順番で覚えてしまうことがあるので、私はカードにすることを勧めています。また、書くことで他の知覚を使うので、記憶は定着しやすくなりますね。

計画段階で復習を組み込む

とくに、高校一年生や、出遅れてしまった高校二年生、受験生は基礎知識が抜けている場合は、復習を計画段階で組み込むことが重要になります。覚える量が多いわけですからね。

ただ、この翌日復習というのは、量が多いと簡単に破綻します。そのため、翌日に復習ができない可能性も考え、復習が一週間に一回はできる形を組み込むようにするように学習計画を作ります。

翌日に復習できれば最高ですが、そうでなくても回せるように初めから計画するということですね。

土日のいずれかを復習日にあてると行った方法は有効です。

復習を計画に組み込まず、勉強しても定着しない受験生は本当に多いんですよ。

部活が忙しい生徒、社会人の受験生などに有効な方法は、休日に学びたい範囲を学習して、平日に復習を組み込むことです。

余裕があれば、休日の最後に、カードを作ることで、通学時間、通勤時間をつかって定着させることができますね。

学習項目を複数のテキストを使って習得するように計画する

ちょっとわかりにくいですが、英文法を例に取って考えてみましょう。

英文法をマスターしようという場合、殆どの場合一ヶ月で学習するのは難しいですね。みなさんが学校で使用する英文法のテキストを想像してみて貰えればわかるでしょうか。

翌日の復習、一週間後の復習、一ヶ月後の復習をやっていたら、終わるのがいつになるのか。そして、復習のタイミングを考えるのも非常に難しくなります。管理しきれないですね。

単純に暗記すれば良い英単語などなら、管理は比較的簡単ですが、理解を伴う英文法はそうは行きませんね。次の学習項目に移るたびに忘れてしまうようなら、学習する効果は薄いですね。

そのため、難易度別に複数のテキストを用意します。

例えば、英文法であれば、4冊程度はほしいですね。

早稲田大学に合格したSさんの1年生の英語の学習計画でも難易度別にテキストをやるように計画しました。一日につかえる時間が少ない受験生であればあるほど、復習のもつ力を活かした計画が必要になるのです。

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このやり方のメリットは管理が容易なこと。実際の得点力につながりやすいということです。

おすすめできるやり方としては、まず、1冊が終わって、翌日に間違えたところを復習してから、難易度が少しあがるテキストを使うことです。

このやり方であれば、問題を解いた後に翌日の復習が自動的に組み込まれますね。そして同じ学習項目を4冊やるのには、何日かかかりますね。ということは、常に復習が組み込まれることになりますね。

そして、4冊終わった時点で間違えたところを復習して、カードにする。これだけ反復すればかなり長期記憶になる可能性は高いですね。解いて覚える重要性は確かにあるのです。

新しいテキストを使うことで、既習範囲だけれども、少し異なる内容で訓練することになります。英単語のような単純な暗記と英文法の違いは、問題を解ける必要があることですね。

例えば、受験文法で「準動詞」の時制のルールを学んだとしましょうか。本動詞より準動詞が過去の場合は、haveをつけるルールがあります。ルールは抽象的なものなので、単純に覚えただけでは使えません。

いろいろな問題を解いて、このルールを適用する訓練をすることで、得点力に結びつきますね。解いて覚える重要性はここにあるのです。

このように、範囲が広い場合は複数のテキストを使うことは効果的です。復習のタイミングを組み込んだ学習計画であれば効率は良くなります。

まとめ

  • 復習が大事なのは忘れないようにするため
  • 長期記憶にするためには、反復回数を増やす必要がある。
  • 反復するにも、適切なタイミングはある。その日、翌日、一週間後、一ヶ月後と反復することで定着できる。
  • 反復するために重要なのは、日付。記録してなかったら、反復のタイミングもわからなくなる。
  • 一ヶ月で終わらないような量が多いテキストの場合は、学習する項目を複数のテキストで勉強するように計画すれば、自動的に復習が組み込まれるため、管理が用意になる。

復習のやり方はまだ色々あります。その人が使える時間、テキストによってもいろいろな方法があるので、次回も復習を学習計画に組み込む方法を考えます。反復回数を増やすための工夫をしていくことで、同じ勉強時間でも効率は大きく変わりますからね。

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