前回、そもそも部活があるということ自体が受験勉強には厳しいという話をしました。

部活を引退してから頑張るというのでは受験勉強には間に合わない可能性が高いです。

部活と受験勉強を両立させるために知っておきたいこと
部活と受験勉強を両立させるために知っておきたいこと
部活と受験勉強の両立は受験生にとって大きな悩みです。 頑張ればなんとかなる。先輩はやり抜いた。学校などでそういう話を聞いている人もいるかも知れませんね。文武両道.....

部活をやっていても受験が成功した生徒は比較早く部活を辞めています。どうあっても時間が足りないです。受験でうまくいくことだけ考えるなら、部活は早めに辞めたほうがいい。

学校や多くの受験情報のサイトなどでは、両立できるということを多く言っているように思いますが、現実は厳しいですね。

なぜなら、部活のために取られる時間、回復のために必要な睡眠時間ももちろん必要とされますし、通常の学習も遅れてしまう受験生が多いからです。学校の授業が宇宙語に聞こえている受験生も多いんではないでしょうか。

もちろん、部活が週に1日とか、2日とかそれほど影響がない場合もありますが、この記事を読んでいる皆さんはそうでないでしょう。

この記事で対象にするのは、体育会系で、部活に拘束される時間が長く、休みも試合で潰れるような生徒を対象にしています。受験生としてはもっとも不利な状況です。

早い段階で志望校を決定する

部活をやっていても成功した受験生の多くは、早い段階で志望校を決定していました。

前回の記事のように20:00に帰宅する生徒が学校の授業中も集中できているかというとむりがありますね。部活をやっていた生徒の多くはそうではないと思います。

聞き取りを多くしてきてわかったのは、部活が週5日以上ある生徒の多くが1年生の夏休みまでに学校の勉強でわからないところがあると答えていました。かなり早い段階で学習上の困難を抱えているということです。

ノザキ塾では、学習計画を立案する際に、生徒の生活記録や学習履歴を確認しています。

部活で忙しくて、大学のことが何もわからないという生徒であっても、大まかに志望校を決めることは必要です。何故か考えていきましょう。

H.Hくんは実質的に受験勉強を始めたのは高校3年生でした。

塾には高校2年生から在籍はしていたのですが、サッカー部で全く勉強時間は取れない。私大の文系ということくらいは決まっていた。このままだと受験も失敗すると思うので、塾に来たと言っていましたね。

早く受験するところを決めようと話しました。時間が取れなければ取れないほど早く志望校を決める必要がある。

なぜ、志望校を早い段階で決めると有利になるのか。

受験勉強という観点だけで言うならば、受験で必要ない科目、あるいは配点が低い科目より、配点が高い科目を優先したほうがいいに決まってます。それは、志望校が決まってないと決定できないですよね。当たり前のことですが、その当たり前がいかにできていないか。

ただでさえ受験勉強に使える時間が少なく、普段も疲れていて集中するのは難しいわけですから、優先順位を決定するためにも志望校を決めることは不可欠です。

で、中央大学の法学部を志望校に設定した。その当時の偏差値は40ないですよ。高3の偏差値45からでもかなり無茶な受験ですが、そんなことは別にどうでもいいんです。部活している時点で無茶なんだから。目標が決まらなければ、計画は立てられない。

ゲームと同じです。勝利条件が明確でなかったらやりようがないですね。

どのような出題形式、どのような配点か知っているだけでできることはあります。たとえその時点で学力が低いとしてもね。

バランスを捨てる

一日30分しか勉強時間をとれない場合、どの科目も均等に勉強することは無理です。5科目30分やっても、6分です。6分で何ができるか。理解を伴うものを学習することは不可能です。

H.H君も授業も1ヶ月に1回しか来れないということがあったので、授業より学習計画を立てることを重視しました。

当たり前ですが、授業時間より、自宅や学校にいる時間が長い。つまり、自習時間をうまく利用できる学習計画が必要になります。

こまめに連絡はしました。勉強しなくてもいいから、進度表はつけるように言って、それだけは守った。あ、成功した生徒は皆、記録がしっかりしていましたね。

H.Hくんの場合は、中央大学を受験したいということは決まっていた。

法学部ということも決まっていた。中央大学は設問形式とレベルが安定している大学で、彼が志望していた国際企業法は英語の配点が他の科目の2倍あったわけです。

高校2年生の段階では、中央大学を受験することはおろか、高校英文法も理解していないし、覚えていなかった。中学レベルも抜けていた。学校の授業ももう聞いていてもわからない。だから寝ていると言ってましたね。サッカー部で本当に体力的にきつかった。

わからない授業を聞いていても時間の無駄です。それは勉強時間ではない。

まずやったことは、内職です。

H.Hくんの場合は学校の授業も全く理解できないレベルだった。

高3のときほど本格的に内職はやってはないですが、中学レベルの英語の復習からはじめました。高3はほぼすべて内職して間に合わせた。本当に大変でした…

こんなことしないと間に合わないのと思うかもしれませんが、間に合いません。

間に合うと言ってあげたいんだけどね。

2年時の英語の偏差値は40あるかどうかのスタートでした。

平均点がないところから偏差値65あるような大学に合格しようとしたら普通にバランスを取っていたら間に合わないです。

基本的に、部活があったり、学力低位から受験勉強を始める場合は、科目を絞るしかない。

同じく中央大学に合格したK君も、科目を絞っています。鈴鹿中学の最下位ですから、それはもう悲惨な状態でしたね。

話を戻します。

進度表を見ると、どこにも受験勉強できる時間がなかった。

H.Hくんは内職しか選択肢がなかった。

なぜかというと、部活が終わったあとだと疲労困憊して勉強できないからです。

まだ、元気がある日中にすすめるしかなかった。高校3年になるまでに、高校基礎レベルの英文法だけはなんとか終わらせようと計画しました。

中央大学の法学部の出題形式で、品詞変換タイプの問題が出題されていました。なので、普段勉強するときに一つの単語を調べるときに、品詞を一つずつ調べるように指導しました。

一日30分(それでもとれないことは多かったですが)のときに、新しい内容はやるようにはしなかった。

今までやった単語を復習することにした。文法を理解するのに必要な単語と、読解で必要とされる英単語は違います。

文法が重要だとわかっているなら、それをできるだけ習得コストを低く勉強できるように、どのテキストをどのように使うか計画して、少ない時間でも定着できるように反復を考える必要があります。

生活記録をするときに、いつが頭が働いていたか、いつがしんどかったか、そういうことも記入するように指導します。

記録をしっかりしていれば、効率がいい時間帯がわかる。短時間でも効率がいい勉強が可能になります。

内職の可能性をそもそも除外していたら、H.Hくんは合格しなかったと思います。

学校の授業でうまく行けばそれが一番コストは少ない。でもそうでないなら、自分がマスターできるように工夫しなければならない。

多くの生徒はバランスを取ろうとして失敗しますね。どれも大事はどれも大事にしてないと口を酸っぱくして言っているんですが、なかなかできない。

まあ、難しいよね。それでも、それしか方法はないんだよ。自分のレベルにあったものをやらなければマスターはできない。学校の授業が活用できるようにするためにも、学力不振の場合は基礎を固めることがとにかく重要ということです。

部活が忙しい受験生は、休日と平日の勉強の仕方を変えたほうがうまくいく可能性が高まるのですが、これもまた別の記事にしたほうがいいですね。