部活と受験勉強の両立は受験生にとって大きな悩みです。
頑張ればなんとかなる。先輩はやり抜いた。学校などでそういう話を聞いている人もいるかも知れませんね。文武両道を謳う学校も多い。
ですが、部活をやっていた人の一体どれだけが部活と受験の両立をできたのでしょうか。
受験指導に長く携わって、うまくいく生徒は少ないというのが現実だと感じています。。うまく行った生徒は計画と記録がしっかりしていた少数はだったと言わざるを得ません。
部活と受験勉強の両立はそもそも難しい
部活があるということは、そもそも時間がない。当たり前ですね。野球、バスケット、バレー、特に体育会系の部活は夜遅くまで部活に時間が取られます。
そんなこといっても、家に帰ってから頑張れば良いだけだろう。そう思うかもしれません。
じゃあ、部活をしている人としていない人、家に帰ってからの可処分時間はどれくらいか知っていますか?
実際部活をしている生徒が部活をしていない生徒と比べてどれくらい時間的に不利になるか、認識できていない受験生が多いように思えます。
もちろん、部活が進学と直結するような場合は部活そのものが受験勉強です。スポーツで進学するような人は進学に必要な評定平均を揃えればなんとかなる場合もあります。
ですが、受験生の多くは、部活動は高校までという人が多いのではないでしょうか。
部活と進学が関係ない場合、一般受験することがどれくらい大変なのかを知ること。まずそこから始める必要があります。
部活で取られる時間だけが問題ではない
部活、特に体育会系の部活をやっている受験生はよく分かると思うのですが、部活のあとにすぐに勉強できますか?
ほぼ、無理ではないでしょうか。特に、ラグビー、柔道などのコンタクトスポーツをやっている生徒は厳しいのではないかと思っています。
ノザキ塾では進度表という仕組みがあります。どのようなテキストを使って、どのような勉強をした。そして生活記録、睡眠時間なども記入します。
そこで部活をしている生徒とそうでない生徒の時間の使い方を見ると、問題がはっきり見えてきました。
睡眠時間の問題
部活をやっている生徒、通学に時間がかかる生徒は、受験勉強という観点でいうと不利です。なぜなら睡眠時間を確保することが難しいからです。
睡眠時間を確認するようになって十数年が経つのですが、睡眠時間が少なくなると、体調を崩すラインが見えてきました。
それは概ね420分です。
もちろん、個人差はあるのですが、失速する生徒の多くの問題点は、努力が不足しているのではなく睡眠が不足しているのです。
部活をやっている生徒が体調を崩さずにできる平均値は、最低でも60分。コンタクトスポーツをやっている生徒なら540分でも足りないかもしれないですね。
睡眠時間を減らすというのは、効率を考えるとありえない。上記の記事を見てもらえればわかると思いますが、体調を崩したときに取り戻すのは、殆どの場合不可能だからです。
家に帰ってから受験生がつかえる可処分時間は平均すると240分程度です。
では、部活をやる生徒はそもそも帰宅時間が遅い。部活、毎日3時間位で帰宅が20:00を回るような人も多いのではないでしょうか。で、540分の睡眠時間を確保しようとしたらならどうなるか。7時に起きて間に合うとしましょうか。
22:00には眠らないといけないですね。
じゃあ、2時間勉強できるって?それは無理です。ご飯も食べなければならないし、お風呂にも入らなければならない。翌日の身支度なんかありますよね。
となると、30分勉強時間確保できたら御の字ですね。
ですが、その30分も無理なことが多い。学校の宿題があったらそれをしないわけにはいかない人も多いと思います。受験勉強や自分の弱点を強化することはなかなか難しいというか、ほぼ無理ですね。
では、どうするか
次回以降は、実際に部活をやっていて成功した受験生と、そうでなかった受験生を比較して、どうすれば合格可能性をあげられるか考えていきましょう。
とにかく、時間が足りないということを意識すること。まずそれを知ることだけでも、成功する確率を上げることは可能になります。
何度も繰り返していますが、記録すること、捨てることが大事です。
計画の重要性も部活がない受験生とは比べ物にならない。部活を引退してから巻き返すというのがいかに難しいか。殆どの場合非常に難しいということを話したいと思います。
うまく行った稀な例だけが極端に取り上げられていると感じていますので・・・
あまり面白くない結論になりますが、部活を辞める時期が早い生徒ほど成功しています。
が、それでも同時期に受験勉強を始めた生徒より成功する確率は低い。そのうえでどう考えていけばいいか考えていきましょう。できますけど、かなり厳しいです。
別にね、部活やりたくてそれが自分の選択ならいいのよ。でも、部活と受験の両立が難しいとわかったとき、どっちが自分にとって重要なのか明らかにしてないと後悔する生徒が本当に多いからね。
真剣に考えようね。