中央大学法学部に合格したH.H君(神戸高校出身)の学習計画 政治・経済の学習方法
あらゆることをして、学習時間を確保するようにしてきたH・H君ですが、3年からのスタートだとどうあっても時間は足りません。
H.H君の模試の成績の推移を見てみましょう。第一回全統記述模試では世界史Bを選択していますね。
世界史は、英語や国語より取れてるんだから、世界史で行けばよかったんじゃないのという疑問を持つ人もいるかもしれませんので、話しておきます。
世界史には社会の中で一番時間が取られる科目
記録の重要性については何度も語ってきました。
失敗する受験生に共通していることは、記録が甘いことです。
勉強できない日なら、疲れていたと記録したら、なぜ疲れていたかもわかりますね。それは、前日に模試があったから?睡眠時間が少なかったから?など、原因特定と改善のポイントがわからないからですね。
こうやって、ずっと受験生の記録をみていくと、ある程度できるようになるまでの時間がわかるわけですね。
全く勉強していない状態から、偏差値60までに乗る時間で、一番短時間ですむのが政治・経済なのです。
世界史は政経の4倍以上掛かっている人が多いですね。もちろん、世界史に時間を取られない人もいますけど稀です。
当たり前ですけど、これは平均値ですので、正確なデータではない。
私の目的はデータをとることではなくて、自分の生徒を合格させることです。
史学科に進みたいという人なら必死でやるべきですが、合格が目的の場合、世界史に拘る必要はゼロですからね。
そして、史学科に進みたいような生徒なら、偏差値60切っているということはないのが普通ですから。
かかる時間を考えたら、英語や国語の時間に食い込んで、合格確率も減るけれど、やるという生徒は少ない。
世界史より負担が少ない日本史でも、英語や国語に食い込みます。同じく中央大学に合格したI.Sさん(鈴鹿中学出身)の合格体験記をご覧いただければわかると思います。
日本史や世界史は、メンテナンスにも時間が取られます。全範囲を終えても、覚える先から忘れることが多いわけですね。
学校の進度を考える必要がある
H.H君は5月の段階では範囲が限定されているから取れたわけです。大体、5月の全統記述模試なんて、一番難易度が低いわけです。
現役生を考慮に入れていますからね。
ノザキ塾に来てくれる生徒は、鈴鹿市、四日市市、津市の学校に通っている生徒がほとんどなんですが恐ろしいことに、10月の記述模試までに全範囲終わらない学校がかなりあります。
これは無理ゲーですよ。使い方あってますかね…
大体、日本史も世界史も近代・現代史の分量の方が圧倒的に多い。慶應義塾大学のように、中世や古代はそもそも出題しないという大学もあるくらいなんです。
独学はかなりしんどいです。
政治・経済は短時間で全体像をつかめる
では、もう一度、H.H君の模試を見てみましょう。
9月の政経の偏差値は49.8ですね。10月の偏差値が63.1
素晴らしいですね。H・H君は8月から政経を勉強してますから、2ヶ月偏差値60を超えたということです。
H.H君の進度表の一部です。これ、8月のものの一部ですけど、やったテキストは1つだけ。
え、これだけ?って思うかもしれません。これだけです。
なぜ短時間で政経は偏差値をあげやすいか
政治・経済がなぜ有利なのかは何度も話していますが、もう一度話します。
大抵の学校では、現代社会を1年生の時にやっているからです。
現代社会は政治・経済に現代社会特有の問題を加えたもので、実質政治・経済なのです。
日本史や世界史はまだやっていない状態。政経の内容については知っている状態。どちらが短時間でできるかは言うまでもないですね。
そして、基礎知識がある場合は、政経特有の思考問題に対応できることもあるんですね。だから、読んだだけでも対応できる可能性があるわけですね。
更に2ヶ月勉強したらどうなったか
では、H・H君の進度表を見てみましょう。
これが9月分、早わかり一問一答は、こちらでPCのテストを作っていたんですね。ちょっと内容が古くなってしまっているので、いまならこちらを勧めます。
で、それを畠山のスパッとわかる政治・経済爽快講義を並行しつつやっていた。
本来は『蔭山克秀の 政治・経済が面白いほどわかる本』を一度読んだら、過去問演習しながら『畠山のスパッとわかる政治・経済爽快講義』を読み、サブノートを作るのが一番早いです。
おおよそ10年、指定した方法でやるとほとんどの生徒が偏差値60を超えるんですね。
サブノートの詳しい作り方については、早稲田大学に合格したSさん(四日市高校出身)の記事に具体例があります。
でも、H.H君は出来なかった。古文が重かったからというのが理由の一つ。内職で過去問演習回したかったんですけど、それが出来なかった。注意されたわけです。
まあ、最終的には内職したんですけどね…10年は出来なかった。
でも偏差値60は超えました。このあたりは出題頻度の違いもこっちはデータあるんで、指定してそこを暗記してもらった。ノウハウはいりますね。
みなさんが自分で学習計画を立てる場合は、10年解くことを勧めますが。
まあ、出来ないならできるやり方で考えればいい。ですので、内職で畠山のスパッとわかる政治・経済爽快講義を読むことに集中しました。
これが、H.H君の10月の政経の学習時間です。足されたのは過去問演習だけとわかりますね。
どれくらい政経が学習効率が良いかわかりますね。
科目選択は重要
このあとは
過去問演習を軸にしつつ加えていったわけです。
H.H君は優秀でしたけど、世界史なら間に合わなかったですね。
こういうこというとなんですが、多くの生徒は3年生になった時点で時間切れなんです。
どんなに頑張っても一年間でできる勉強時間に限界がある。となると、内職する、時間対効果が高い科目を選択する。科目を限定するということが重要になるわけです。
そんなに受験は甘くない。
私としては、早くから勉強して欲しい。1年生、2年生なら取れる手段がたくさんあるんだよ。
3年生や浪人生でも取れる手段はあるけど、かなり無茶しなきゃいけないし、自分で学習計画を立てる限界もあるからね。
勉強するのは当然。努力という言葉や頑張るという言葉は嫌いだけれど(そもそも、無理して実行するということで、失敗の確率が高いからね)、正しい努力は必要だと思うよ。
それは、計画をたてること、知ること、記録すること。
時間が少なくなればなるほど、勉強計画や記録の重要性は増すからね。それにしてもアレルギーが酷いね。アレルギーある人は、この時期しんどいね。普段以上に体調管理に気をつけようね。