宿題とのうまい付き合い方
コロナウイルスの影響で、不安と混乱が続いています。
特に影響を受けたのは高校1年生と言えます。
受験生クラスは基本的に指導はオンラインで行うのですが、それでも影響は大きかった。
さて、今回は宿題について考えてみます。
宿題が多くて回らないという現役生のみなさんも多いのではないでしょうか。
そもそも宿題はなんのためにあるのか
宿題はそもそもなんのためにあるのか考えてみましょうか。
当たり前ですが、学ぶ内容が出来るようになるために必要なわけですね。
多くの場合は、授業内容を理解し、定着させるためにあると言って良いのではないでしょうか。
その科目を「出来るようにする」ためにあるわけですね。あたりまえですね…
宿題が多すぎて、どの科目も中途半端になるという矛盾
ですが、本来の目的と矛盾した状況がしばしば起こります。
めちゃくちゃな量の宿題を出す学校ですね。
徹夜しないと終わらないような量を出す学校は一定数あります。
一つの宿題を終わらせようとすると、他の宿題は終わらない。
宿題をやってある状態で授業が構成されていると悲惨です。進度が早いとますますわからなくなる。
更に輪をかけて悲惨なことに、そういう学校に限って馬鹿みたいに小テストを行ったりします。
更に小テストに合格しないと、またテスト。テストに落ちたら更に課題。
宿題だけで一日が終わる。睡眠時間もギリギリ。更に増える宿題。
雪だるま式に宿題が増えます。闇金もびっくりですね…
当然、予習、復習などが出来ないので、ますます勉強ができなくなる。どん詰まりです。絶望しかない。真面目な生徒ほどきつくなっていく。
夏休みに入る頃にはもうどれもどうしようもなくなる生徒も一定数いるんですよ。本当に残念なことですが。
適切な宿題量ならそうならない人は多い。
信じられないひともいるでしょうけど、漢字テストに落ちたら100回書き取りとか、テキストの解説をノートにそのまま写せという学校もあるんですよ…
写経じゃないんだから。ツッコミどころ満載です。
解説写してないとペナルティ。解説写すのなら授業の意味ってあるんですかね…?
写すので身につくのは無駄なことをやるのに耐える精神ですかね…
無駄な指示に従うことを学べって?意味が全くわかりません。
クレイジーですね…
いやあ、時代は令和ですよ。無意味な作業をさせるってロシアの拷問じゃないんですからね。
せめてやるなら、身になるものにする必要がありますね。
悪い宿題とは
今まで見てきたように、やる内容が悪くなくても量が適切でないと悪い宿題になるということですね。
宿題でも明らかに悪い宿題はあります。解説を写すとか100回漢字を書くとかは悪い宿題ですけどね。弁明のしようがないです。
それ以外にも悪い宿題はあります。
それはなにか。
解答がない宿題は悪い宿題
解答がない宿題です。
特にいま、授業がなく、学校で質問できる状況にない場合に解答がない宿題は意味がない。
意味がないは言いすぎですかね。非効率さを学べるかもしれません。
教師を文字通り反面教師にする。ちょっとしたパンチラインですね…
解答がないということは、やったことがあっているかどうかわからないわけです。効率が悪すぎる。
当然優先順位としては下げるべきです。
もちろん、翌日に解説があったり、質問ができるなら別ですよ。
コロナウイルスで登校できない状況で答えがない宿題が出ているのなら、今やるより学校が始まる直前にやったほうがいいですね。
問題を解いて、解答が早く手に入れられる状態にすることが学習効果を高めます。
記憶するためには反復回数と、どれくらいのインターバルがあるかということが重要なわけですから。
やったらやりっぱなし。ダメすぎですね…
自分の課題を明らかにして授業に受ければ意味があっても、解答がないと意味がない。
間違いを修正して出来るようになっていくというプロセスがそこにはないわけですからね。
解説がない宿題も悪い宿題
当然のことながら、解説がない宿題も悪い宿題ですね。
問題を解いて、解答があっても、なぜその答えが導き出せるかわからなかったら意味がないですね。
特に今の状況だと、質問を出来る状況にないのであれば尚更そうですね。
では、どうするか
宿題が機能していない場合、どうすればいいか。
結論からいうと、捨てることですね。
全部バランス良く出来る人はほんの一部しかいません。
どれもやろうとしてどれも中途半端になるなら、自分の目標に応じて優先順位をつける。
生徒にまず指導することは、毎日の記録なんですね。
行き詰まってしまった生徒の多くは、勉強していなかったわけではなくて、勉強していてもわからなくなったから。
いくら聞いてもやってもわからないものをやる意味はないです。それは精神修行になるかもしれないですけど、出来るようにはならない。
適切なレベルの教材を選択して、質問できる環境にあれば、多くの生徒は勉強出来るようになるんですよ。本当に…
宿題やめるだけで、勉強できるようになる受験生がどれくらい多いか知ったら多くの人は驚くんじゃないですかね…
適切なレベル、適切な量が大事。
睡眠時間を慢性的にへらすことは害悪でしかない。体を壊して一生生きるのは辛いですよ。
宿題をこなすだけで精一杯でどれも出来ないなら、どれか一つの科目を出来るようにする必要がある。それなら打開できる。
出来るようにするためには、宿題とのうまい付き合い方を考えなければいけない。
自分の学力を本当に上げるのかどうかということを考える必要がありますね。
合格最低点に1秒でも早く到達するにはどうしたらいい?というように考えようと、受験生クラスの生徒には話しています。
わかりきっているものは後回しにする。もしくは写す。
解答がないものはとりあえず、解答・解説が早く手に入れられる状態になってからやればいい。
特に、数学では推奨していますが、問題の見立てをするわけですね。
あきらかに見てすぐわかるものは後回しにする。
宿題の意味はなんでしょう?
「出来るようにする」ためにあるわけですね。出来ることやっても得点力はつかないわけです。
解説見たらわかるかもしれない。あるいはやったことがないものからやるべきですね。
出来ないこと、出来るかどうかわからないものが出来るようになれば、合格最低点に1秒でも早く近づきますね。
そんな事自分ではわからないと言う人は、こちら受験生クラスでは生徒募集してますよ。フフフ…
冗談はともかく、自分に必要なものは自分でしかわからないですよ。「はじめての学習計画」では学習計画の立て方の記事が多くあるので、じっくり自分で考えてみてください。
受け身ではだめなんです。君の人生は君で決定するんだよ。
わかりきっているものは倍速、早送りにする
同じような内容ですが、今、動画で学習を進めろというところも多くありますね。
自分にとってわかりきっている内容ならば、バカ正直に等倍速で見る必要はないですね。
もちろん、わからなかったらしっかり見るべきですよ。
受験に意味がある形にする
追記:2020/05/01
学校のテストなどが意味がないとは言いませんが、受験ではあまり意味がないテストをやっている学校もありますね。
例えば、英語の場合だと、品詞を意識せずに暗記しても意味がないですね。意味とスペルだけ問うようなテストでそれしか覚えてなかったら結局また覚え直しになってしまいます。
ですから単語テストのテキストで例文があるなら、その文型を分けておくなどすれば、有効に活用できますね。
共通テストでリスニングの配点が筆記と同じというメチャクチャなことになってしまいました。
単語テストも音声教材があるようならば、それを通学時間に聞くようにしていけばリスニングの訓練にもなりますね。
また、単語テストなどでペナルティがあるのなら、リーダーの宿題をやるときに、その単語帳を見て調べるなどするようにすれば、記憶も定着しやすくなりますね。
4技能重視という流れになった以上それに対応した勉強に変わらなければ、対応できない。
地方であればあるほどALTの人材も不足していますし、早い段階から訓練しないと対応は難しい。
また、漢字テストも、読みと綴りしか問われないテストをやっているところもあります。
受験では、同音異義のものを選択したり、判断するものが出題としてほとんどです。意味を判定しなければ解けないということです。ですから、熟語がテストで出てくるなら意味を調べる。
本来は意味が載っていない漢字のテキストをつかうことは本当に非効率なんですけどね…
意味が載っていても、巻末別冊であったり使いにくいテキストであったりしても学習効果は落ちます。
課題を捨てるときの考え方と時間の有効な使い方
ここからは高校3年生やもう学校の勉強もわからない。どうしようもなくなってしまった人向けてです。
要するに時間がない人たち向けですね。
- テスト、宿題がどれだけ調べても質問してもわからないなら、自分がわかるレベルまで落としたテキストを選択しよう。
- 自分の受験に必要ではないものはやらなくていいなら捨てよう。
- ペナルティがあるなら、ペナルティがあった場合(写せとか、説教とか)で失われる時間と自分で勉強する場合のどっちがリターンが大きいか考えよう。ペナルティで時間を取られるなら無駄だけれどやるしかない。
- ペナルティがあって、提出しさえすればいいのなら写す。写す時間は無駄だけれど、ペナルティで失う時間より勉強時間を増やせるなら意味がある。
- 内職して写す。聞かなくても良い授業やLHRなどの間に写せばいいものは写して、勉強時間を増やす。
みんな、そうやって時間を作りました。本当に全部課題やテストやったら、寝る時間確保できなくて体を壊すような量だったからね…
本当に時間がないんですよ。宿題が受験に有効ならいい。ほとんどの人は高校3年生になった時点で時間切れなんです。志望校によっては高校2年生の段階で時間切れになっている受験生もいます。
自分の受験に役に立たないものは勉強時間と考えるなと指導しています。
学校とバランスをとって出来るような生徒はウチにはこないですからね…
もちろん、推薦入試などの場合は別ですよ。
現在の学力から考えたら無理なところを志望校にしている生徒がほとんどなわけですから、そうなったら普通のやり方していたら普通に落ちます。皆勉強するんだからね。
勉強時間と学力は比例するわけです。これは厳然たる事実です。
時間がないなら効率を追求するしかないです。捨てるということは優先順位をつけるということです。
まとめ
宿題がその人の目的に合致していて、かつ、学校のレベルも自分の志望校と合致していて、こなせる量ならいい。
大事なのは目的に対して本当に効果があるかということですね。
もし、そうでないなら、考えたほうがいい。
そして、宿題を全部やろうとして回らないなら、捨てるところを決めることです。
どれも大事というのはどれも大事にしていないのと同義ですよ。
皆がやってるからやるというのは、そもそもおかしい話ですよね。あなたの目的はなんですか?
皆と同じであることですか?それならいい。でも違うなら、考える必要があります。
志望校に行くのが目的であれば、自分の目的と合致しないものは捨てる。
そうでないと時間が足りないんです。このサイトを見てる人は、強者の人は少ないでしょう。僕ら弱者は頭を使うしかないんだよ。
ただでさえコロナウイルスで先行きが見えなくなっている。これはお金の問題、生きる問題とも関わりがあります。
受験校を減らさざるを得なくなる家庭も出るでしょうし、浪人が出来なくなった家庭もあるでしょう。
リーマン・ショックのときもそうでした。
宿題が多くて、ペナルティが多いから、本来もっと基礎的なものに戻らなければならない生徒が、宿題で潰れそうになったことがありました。
受験校も減らした。志望校も変更しなきゃいけなかった。
本当、厳しい状況だけどさ。なんとかちょっとでもまともに生きられるようにふんばろうね。
生老病死は自分でコントロールできない。コロナだってそうだよね。
でも、勉強するかどうか、頭を使うかどうかは自分でコントロールできるんだからね。しんどいけど、ふんばろうね。
追記:2020/07/03
時間がどれくらい貴重なのかを意識できるかもしれないので、追記しておきます。